2023/05/24

ブンデス最終節:本物のマイスター・シャーレはドルトムントに。

©︎IMAGO/Eibner

 1年半ぶりにボルシア・ドルトムントの株価が5ユーロの大台を突破、実に13%を超える上昇を記録した。確かに2000年の初値が11ユーロだったことを思い返すと少なく感じるかもしれないが、それでも2008年から2010年までは1ユーロ以下になったことさえあったことを思えば、いかに11年ぶりとなるブンデスリーガ優勝に大きく近づいていることへの熱気が伝わってくるというものだろう。実際に2位バイエルン・ミュンヘンとの勝ち点差は2であり、得失点差を考慮しても勝利が優勝の条件といえるだろうが、ドイツサッカーリーグ機構は同時開催となるこの日の試合当日、本物のマイスター・シャーレをドルトムントに持ち込むことを発表。11連覇を狙うバイエルンが戦うケルンには、コビーが送られることになった。ちなみにこれは慣例に則したものであり、本物は通常はリーグ首位の試合会場へと運ばれることになっている。

ドルトムント市、祝勝イベントの計画を発表

  そしてもしもそのまま優勝を果たした場合、優勝杯は本拠地シグナル・イドゥナ・パークのピッチ上で授与されることになるが、ただドルトムント市内では試合当日のパブリック・ビューイングは設置されないとのこと。翌日の日曜にドルトムント市内では、チームが街のゴールデンブックにサインしてから12時9分よりパレードを実施。そこで市内を1週半回って市街地に向かい、4キロ先のドルトムントUの手前で終了予定。4時間から4時間半の見込み。無論クラブ側はあくまで今回のマインツ戦に集中してはいるものの、地元当局としては用意周到に準備を行う必要があり、4月初めから水面下で進められてきた計画は火曜日に最終決定がなされた。ちなみにパブリック・ビューイング設置を見送った理由は、放送局スカイとの合意ができなかったためとのこと。当然ながら試合チケットはだいぶ前に完売済み。ここ数日だけで30万を超える問い合わせもあったようだが、全てキャンセルとなった。プレスも殺到しており、192の座席に800の希望が届けられていたという。

ルーティン通りに進める、テルジッチ監督

 その一方で選手たちは最終決戦に向けて、この日も普段通りに準備を進めていた。今後の予定としては金曜日にチームの宿舎に向けて移動し、土曜日にスタジアムに向かって、「我々は頭を明確にして試合に臨まないと。感情に流されるようなことはあってはならない」とテルジッチ監督はコメント。この試合でいかに大きなプレッシャーが選手たちにかかるか、それは十分に想定済みだ。だからこそ敢えて指揮官はこのようなルーティンを確立させてきた。そして今回の試合に向けても考えられる全てのシナリオを考慮して、最悪の事態にも備えていく。「あくまで自分たち次第。だから自分たちのことに集中していく」と強調。目の裂傷を負ったフメルスは出場可能で、膝の問題で前節欠場したベリンガムはまだ様子見。いずれにしても土曜日の試合では選手たちはファンたちとスタジアムで1つになり、「きっとファンたちが大いに盛り上げてくれることだろう」とテルジッチ監督。「ぜひそこでともにお祝いできるようなものを届けたい」と意気込みをみせた。

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