2023/05/28

ドルトムントのヴァツケCEO「2013年のCL決勝敗戦よりも辛い」

©︎DeFodi Images via Getty Images

 ボルシア・ドルトムントのハンス=ヨアヒム・ヴァツケCEOは、土曜午後に行われた1.FSVマインツ05戦にて2−2の痛み分けに終わった後、ここまでラッキーアイテムとなっていたライトカラーのタートルネックの服を即座に脱ぎ捨てた。11年ぶりとなるブンデスリーガ優勝を逃したその失望は大きく、それは無論この試合にかけつけた数多くのファンたちにとっても同じことであろうが、しかしながら試合終了後にはスタジアムではその健闘ぶりを讃えるチャントと、拍手歓声がこだましている。「ファンの皆様はこれほどの苦境の中にあっても、私たちをこれほどまで支えてくれ、応援してくれた。これからも我々は戦い続ける、その責務として胸に刻み込まなくてはならないよ。我々はまた直ぐに立ち上がる、そういうクラブなのだ」とキッカーに対して前向きに答えた。

 ただ「あまりにも辛い」現実に変わりはなく、試合について改めて振り返ると「何人かの選手は重圧に苛まれており、またバイエルンが早期にリードをしていたこと、さらにPKを失敗したことなどが、前半でのあのパフォーマンスの要因となってしまた。本当に残念でならない。この世界は長いが、今回は2013年のチャンピオンズリーグ決勝で敗れたときよりも辛いものがあるよ」との思いを吐露している。それはまるで今シーズンを象徴するものでもあっただろう。「我々はこの試合で優勝を逃したのではない。前半戦での戦いで逃したのだ」と語るように、ドルトムントは後半戦ではバイエルンを上回る成績でフィニッシュしたものの、前半戦での遅れを取り戻すには至らなかった。これにはセバスチャン・ケールSDも同意するもので、試合については「流れが良くなかった。同点にできず逆にリードを広げられ試合は一変した。マインツはカウンター狙いでしかなく我々は打開策を見出せずにいたよ。この試合に向けた準備もマッチプランもしっかりとできたという感触をもって臨んでいたが、試合が荒れてポゼッションもうまくできずに中央突破に固執し、チャンスを作れなかった。」と言葉を続けている。

 「虚無感、失望感……今、私たちが感じているすべてのことは、言葉では言い表せない。選手も皆それぞれが自分自身の中で折り合いをつけていかなくてはならないだろう」とケールSD。それでもやはり「南側のスタンドから比較的早く
、私たちチームを迎え入れようとしてくれるその姿は本当に印象的だった」と述べ、「”れがこのクラブの際立った特徴。このような困難な状況でも、人々は強い気持ちを持っています。確かなことはある時期からまた前を見据えて、また我々は仕掛けていくというということ。ボルシア・ドルトムントは決して沈まない。今は非常に困難ではあるが、それでも再び我々は立ち上がる」と意気込みをみせた。これはまだボルシア・ドルトムントの新時代『テルジッチ/ケール体制』の1年目であることを忘れてはならない。だからこそヴァツケCEOは改めて、「彼らは今シーズン素晴らしい仕事をしてくれた」と2人に称賛の言葉を送った。

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