2023/08/30
遠征、負傷、移籍:開幕から精彩欠くドルトムント、その原因は?

©︎IMAGO/Moritz Müller
ブンデス第2節での痛み分けというのは過去4年間で3度目と、もはやお馴染みの光景となっており、2試合が経過して勝ち点4というのはそういう意味でみれば、決して悪いものとまでは言い切れないだろう。しかしながら実際のパフォーマンスに関していえば期待値を下回ることは確かであり、開幕戦のケルン戦然り今回のボーフム戦でも守護神コーベルや、終盤で決定力をみせたマレンがいなければ、全く異なる結果にさえなっていた可能性もあるだろう。「これは我々の求めるものではない」と、試合後にエムレ・ジャンはコメント。できる限り早期に解決を図らなくてはならないが、そもそも一体なぜドルトムントはこうも出だしでつまづきを見せるのか。特に昨季後半戦では猛烈な追い上げで優勝奪還間近にまで迫っていたというのに。
1つは米国遠征など準備にあまり時間をかけられなかったという点をあげることができるだろう。長時間の移動や時差ボケ、異なる練習場や高温など体力の消耗は大きく、実際にこのツアー中に多くの負傷選手を抱えた上に、この夏はベリンガムとゲレイロという2人の主力級の選手を失ってしまった。その修正においてまだ攻守の間にギャップは大きく、中盤では間延びをみせ、創造性や確信、そして素早さという点での不足が見受けられる。それとも最終節でのまさかの優勝逃しを引きずっているのか。いずれにしても今季まだ輝きを見せられているのはマレン、そしてブラントの二人程度しかいない。ただブラントがサイドに回ったことが中盤での創造性の欠如につながっているともいえ、もたつきからボーフム戦でもケルン戦でも相手にスペースを埋め、ボール奪取への機会を与えてしまっている。
そもそもこういったタイプのチームにドルトムントは以前から問題を抱えていたという背景もあり、エディン・テルジッチ監督としてはここが腕の見せ所。とりわけライバルとなるレヴァークーゼンやライプツィヒが積極的な補強を敢行している一方で、ドルトムントでは控えめな動きにとどまっていることも、一部のファンたちから批判を受ける結果につながった。確かに前述のベンセバイニ、そして中盤ではフェリックス・ヌメチャと獲得したがSNSでの投稿からファンより批判を受け、別の候補としてあがっていたアヤックスのエドソン・アルバレスがウェストハムに渡ったことも相まって不満を募らせているところ。ちなみに今はドルトムントでは、サウサンプトンのCBアルメル・ベラ・コチャプを、金銭的理由からレンタルで迎え入れようとしている。
フメルスとリエルソンが練習参加、ヌメチャは個別調整
おそらく首脳陣としてはフメルスの将来的な後継者とみなしているのだろう。ちなみにそのフメルスは背中に問題を抱えていたことが伝えられていたものの、足首に問題を抱えていたユリアン・リエルソンと共に今週はじめから練習復帰。ただしヌメチャについてはボーフム戦にて腰を痛めており、この日はグループから離れてランニングセッションを行う姿が見受けられた。