2023/09/05
昇格組に2点差追いつかれドロー、残念なフュルクルークのデビュー戦

©︎IMAGO/Team 2
最初の代表戦期間を迎えたボルシア・ドルトムントは、開幕戦となったケルン戦でなんとか勝利をおさめるも、その後は昨季昇格組のボーフム戦、そして今期の昇格組ハイデンハイム戦でも痛み分けに終わり、3年連続で残念な開幕ダッシュを見せる結果になってしまった。今回の試合では順調な立ち上がりで、ブラント(7分)とジャン(15分、PK)でリードを奪ったものの、そこからトドメを刺すのではなく、むしろ相手を立ち直らせ、後半も不用意に得点チャンスを逸し、ディンクシが反撃の狼煙をあげると、83分にハーラーがベステを倒してPK献上。「本来なら三点目を取って決めないといけなかった。それでも2−2で済んだことは前向きにいえるかもしれないけど」とユリアン・ブラント。ロスタイムにヌメチャがクロスバーを直撃させるも、勝ち点3の確保までには至らなかった。
ヴァツケCEO「代表戦期間で分析」
「トップチームであれば、こういうことはあってはならないこと」とDAZNに対して語ったテルジッチ監督は、昨季好調だった後半戦の継続というより、むしろ不調だった前半戦の再現をしているようで「また同じことが起こっている。」と苦言。またしても勝ちきれない事態に、昨季最終節では勝利を逃してブンデス優勝を目前で失ったことをあげながら、「その辛さはもう痛いほど痛感しているのだ。いつかそれを自分たちの手で止めなければ、喜びを手にすることなど困難にしかならない」と警鐘を鳴らしている。ハンス=ヨアヒム・ヴァツケCEOは日曜、地元メディア『フンケ・メディエングルッペ』と『ルール・ナハリヒテン』の2紙で、「この代表戦期間を利用して分析に入る」と明言。「ただ我々はそれを公の場ではなく内部で行う。もちろんコーチとスポーツディレクターと話し合うつもりだ、いま最も重要なのは彼ら2人だからね」と語った。
ケールSD「終盤で踏ん張れていない」
そのケールSDは「説明できない。決して起こってはならないことだった」と述べ、「実際に試合を支配していたし、得点チャンスも多くあったが、後半で不用意に試合を手放してしまうなんて、こういうチームでは決してあってはならないこと。特にホームでのハイデンハイム戦で良い前半を戦っていたにもかかわらず」と肩を落とす。そして「ここのところいい試合ができていない。今日も非常にものたりなく、3試合すべてをみてもものたりない。選手と話さないと。あるべきではないミスが多すぎた。集中力が欠けているところもみてとれたし分析しないと。」とヴァツケ氏に同調し、「最後はとにかく試合が荒れて、ポゼッションをうまくできていなかったね。あれほど長いロスタイムなのだから、そういう戦い方はよくないよ。逆にカウンターでやられていたかもしれない。特にこの3試合では終盤での力に欠けている。」「これから厳しい日程も待っているので気を引き締めないと」との見方も示している。
フュルクルーク「ファンのブーイングは理解できる」
一方で 移籍後初試合となったニクラス・フュルクルークは、途中投入時には拍手喝采だったが、試合後はチーム全体にブーイングが浴びせられることに。「でも理解できるところはある。怒りもフラストレーションもよくわかるよ。だって僕もそうだから」と述べ、「昇格チーム相手にホームで2-0の勝利を逃すことはボルシア・ドルトムントとファンが望んでいることではないさ」とコメント。そして投入からを振り返り「前線でもう少しうまくボールを保持して、ポゼッションフェーズに入り、ハイデンハイムのプレスを過剰にプレイすることが重要だった。ハイデンハイムは2点目を狙って高いところを駆け上がったから。同点は最悪の流れだったよ。でもその後でも試合に勝つ可能性はあったし、あんなに荒れさせる必要もなかったと思う」とケールSDと同じ意見をみせた。
フュルクルーク「ブレーメンを祝福」
ちなみにフュルクルークが退団したブレーメンは、マインツ戦で4−0と快勝。「とても嬉しかった」というフュルクルークは、改めて最終的にドイツ代表入りにつながった、運命のブレーメン復帰の2019年を振り返り「代表入りを決して諦めていたわけではなかったし、「このチャンスを与えてくれた(当時の)コーフェルト監督に感謝している」とコメント。負傷による長期離脱など「最初は精神的に下り坂」だったが、「それから急速な上り坂になった」というように2部優勝、さらにブンデスでは得点王にまで輝き、カタールW杯出場も果たした。「でも今は100%、ドルトムントに意識を向けている。自分の役割をみつけていかないと」と強調。そしてここ数日について「移籍の希望が認められ、多くの理解と励ましをいただき、今は少し落ち着いたところだ」と振り返った。