2023/09/06

テン・ハフ監督の対応は?ジェイドン・サンチョが抱える複雑な問題

©︎IMAGO / Sportimage

 かつてジェイドン・サンチョがボルシア・ドルトムントに在籍していたころ、たとえば対コロナの規定に違反し自宅で美容師に髪を切ってもらったり、またある時には無断で海外旅行に行って停止処分を受けるなどの問題をみせていたが、ただ19歳、20歳になりたてでまだプロとして未熟だったサンチョは、23歳となった今も変わらず同じ問題を抱え続けている。しかもドドルトムント時代では104試合で90得点に絡む大活躍をみせていた反面、「夢を叶え」入団したマンチェスター・ユナイテッドでは多くの攻撃的選手の1人にすぎず、先日の試合では20歳のハンニバルと18歳のゴアがメンバー入りしサンチョの姿は見受けられなかった。

 このことについてテン・ハフ監督は「練習時でのパフォーマンスが不足していた」と指摘するも、その後にサンチョ自身が「スケープゴート」という言葉を使い反論、間接的に嘘をついていると公に批判してしまったことは、おそらくかつてクリスチアーノ・ロナウドにも断固たる姿勢を貫いたテン・ハフ監督は、現時点ではまだ沈黙を保っているが何らかの動きをみせることだろう。ただユーロ決勝でPKを外し酷い人種差別を受け、その後イングランド代表から長く遠ざかっている理由としては、遅刻などプロに反した行為が原因ともいわれており、ここではかつて英国最高の才能といわれたデレ・アリのことを思い起こす必要があるのかもしれない。サンチョより4歳年上の同選手は、先日のインタビューで精神的問題と幼少期にうけた虐待について明かしていた。

 そしてテン・ハフ監督もまた今冬にはサンチョをオランダへと送り、そこで「心身ともに問題を抱えていた」ことからの回復にあたらせている。しかし復帰後もサンチョのパフォーマンスは改善することなく、ただテン・ハフ監督は「ドルトムント時代と変わってはいない」とも擁護する。ドルトムント時代とは異なるサッカーの中で適切なポジションを模索しながら、アントニーとアレハンドロ・ガルナチョとの新たな定位置争いも勃発。そして今回の「スケープゴート」問題と、サンチョの問題は非常に複雑なもの。先日にメイソン・グリーンウッドはスペインに渡ったが、マンチェスター・ユナイテッドはまだアントニーとサンチョの問題は残されたままとなっている。

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