2023/11/08

成熟度高める過程のドルトムント、バイエルン戦で敗戦もニューカッスルでは貴重な勝利

©️IMAGO/Team 2

 再びニューカッスル・ユナイテッド戦で勝利をおさめたボルシア・ドルトムントは、自力でのチャンピオンズリーグ決勝トーナメント進出の可能性を再び手繰り寄せることに成功した。この試合でチャンピオンズリーグ初得点をマークしたニクラス・フュルクルークは「かなり良い立ち上がりをみせ、激しくカウンタープレスを展開していけたね。そしてここぞという場面で自分達に有利に進めることができた」とアマゾンプライムとのインタビューでコメント。 週末にはバイエルンとのドイツ頂上決戦で0−4と不甲斐ない敗戦をホームで露呈してしまっていただけに、「確かにロストのリスクもあった中で、それでも僕たちは貪欲にプレーし、最後は得点に結びつけることができたんだ。とりわけこの黄色い壁の前でのゴールは格別というものだよ」と喜びをみせている。「奮い立たせる勝利といえるかもね。もちろんまだまだ改善の余地はあるけど、でも是が非でも勝利したかった強豪相手の試合で今日は、非常に重要なステップを踏み出すことができた。あの試合のあとで良いリアクションを見せたよ。対人戦での勝利を重ねていき、それでセカンドボールを拾えていた」

 その結果で死の組とされるこのグループFで再び、自らの立ち位置を改善できたことに「これは多大な努力によるもの僕らは確実にこのグループを突破できる力をもっている。そしてそれこそが何よりも重要なことなんだ」と意気込みをみせた。特にフュルクルークはこの試合の2−0とした場面、アデイェミからのロングボールを受けたユリアン・ブラントが敢えて「リスクを冒して」「単独で持ち込んで決めて見せた重要なシーン。あのチャンスを見事に生かしたね。それでこの試合を決定づけられたと思う。こういう展開を僕らはもとめていた、そんな象徴的シーンだったと思うね」と強調。特にここのところあまり目立たなかったアデイェミに関しては、ロイスの負荷調整というチャンスを見事に活かした結果であり、指揮官が期待したスピード感と自信に満ちた遊び心もあるパフォーマンスを披露。「彼に必要な達成感があのアシストにあった。それは素晴らしいもので彼のパフォーマンスはそれに値する。そしてあのプレーはいかに僕らが集中していたかを物語るシーンだ」と評価し、テルジッチ監督も「今日の素晴らしいパフォーマンスが結果としても報われた。よく再び立ち上がってくれた。よく戦い、そして良いプレーをみせてくれた」と賛辞を送っている。

成熟度を増す過程にあるドルトムント

 そして今回の勝利について指揮官は、改めて「本日で土曜日に起こってしまったことを取り返すようなことなどできやしない。しかし重要なことはあそこから、我々が正しい答えを導き出していくということ。今回はチーム全体として非常に良いパフォーマンスをみせていたと思うし、とりわけニューカッスルは過去13試合で2敗しかしていないクラブなのだ。しかもその2敗というのはいずれも我々によるもの。加えて我々はそこで無失点に抑えている。ジョエリントンが掴んだ1度のチャンス以外はうまく試合をコントロールできていたと思うね」と総括。「序盤から主導権を握って、先制点を決めるまでは高い支配率を保ち続けていたよ。今回はスピードと深みという点でうまく見出すことができ、そして追加点をあげることもできた。まぁ誇らしく思うという言葉は正しくはないだろうが、今日実際にやりたいと思っていたことができたことには満足感を覚えているよ。しかもニューカッスルを相手にして2回もね。彼らは非常に優れた成功したチームであり、そこで我々はなんとかうまく制御して2連勝を飾ることができたんだ。初戦は接戦ではあったが、今日は十分に勝利に値するものだったといえるだろう。明日からもまた実直に更なる高みを目指して努力を続けていきたい」と巻き返しを誓った。「また日曜日からは次のステップが待っているし、チャンピオンズリーグも勝ち点7で十分なわけではないよ。いくら素晴らしいパフォーマンスで重要な勝利をふさわしい形で手にしたとしても、」

「チャンピオンズリーグの改革にNO」「頭の中にあるのはお金のことだけだね」

ただ今回の試合ではシグナル・イドゥナ・パークの観客席から、大量の偽札がフィールドへと投げ込まれていた。そして南側のスタンドに掲げられた横断幕から、その意図は即座に明らかとなっており「サッカーのことに気を留めず、頭の中にあるのはお金のことだけだね」と「チャンピオンズリーグの改革にNO」を突きつけた格好だ。2024/25シーズンから以前の32チームから36チームへと拡大、8つのグループに分けもなくなりその結果、現在チャンピオンズリーグのシーズンはグループステージ以降125試合で構成されているが、2024年からは225試合となり、なんと100試合増加する。

ニューカッスルのサポーターからはドルトムントに感謝

 逆にニューカッスルのファンのバナーには「20ポンドからの変更、ありがとう」とのメッセージが寄せられており、この日のドルトムントの立ち見席における料金設定は約16ポンド(18.5ユーロ)。これはプレミアやチャンピオンズリーグでは非常に珍しいことで、例えばパリSG戦に臨んだバイエルンのサポーターは「我々はネイマールじゃない」と70ユーロに憤慨。ドルトムントのヴァツケCEOはニューカッスルのサポーターの行動に賛辞を送るとともに「海外でファンが時々、最も安いチケットでも70ユーロ近くも払うのは実に嘆かわしい」と語った。

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