2019/10/27

ベルギーでの武者修行を経て、鎌田大地「楽になった」


 スタンダール・リェージュと一体どう対峙すべきか。それは昨シーズンのレンタル時代に、鎌田大地が経験していたことであり、そしてそれをヨーロッパリーグの舞台において、2アシストをいう形で重要な一線での勝利に貢献してみせた。しかしこれは、鎌田がみせた成長において必然的結果だったともいえるだろう。
 それはシントトロイデンでの、1年間の武者修行により始まった。アディ・ヒュッター監督のこの考えはまさに、当時まだ華奢だった鎌田にとって功を奏するものだったといえるだろう。レンタルから復帰したこの夏の準備期間において、指揮官は早い段階から出場機会を得る可能性を示唆。「以前よりも多く笑顔をみせるようになったし、かなりオープンになった」と、プレイヤーとしてのみならず、人間として成長を果たした印象も口にしていた。
 一方の鎌田も、ベルギーの移籍期間にて定期的に得点を重ねたことが、「楽にしてくれたと思いますし、助けになってくれましたね」と、金曜夜にフランクフルトの本拠地コメルツバンク・アレナにてコメント。そこでは日本人のジャーナリストの一人が通訳も同時に勤めるなど、英語もドイツ語もまだ苦労する姿からは、まだ時間が必要という印象は拭いきれないが、しかしながらピッチ上においては理解に関する問題は余り見受けられない。ここまで公式戦17試合に出場するなど、現在は主力選手の一人としてのプレーが続いている。
 確かにほぼ常にといっていいほど、非常に精力的なプレーをみせる同選手。ただその一方で、木曜の試合まではまだ1得点1アシストという結果については、多少なりとも物足りないとの声はあった。しかしそのスタンダールとの試合では、セットプレーから2つのゴールをお膳立て。ダヴィド・アブラームとマルティン・ヒンターエッガーのゴールへとつないでいる。フランクフルトにてセットプレーは、鎌田とフィリプ・コスティッチとの共同作業により、練習で磨いてきているものだ。
 ちなみに今回の試合においては、昨年12月に行われたスタンダール戦にて得点をあげていた鎌田にとって、相手を知っていたという部分はあるものの、「シントトロイデンは順位表では下にいて、深い位置に構えてからのカウンター狙いでしたから。比較するのは難しいですよ」と説明。実際にその役割は逆転する形で木曜は展開をみせており、引いたところからフランクフルトを巧みに中盤へと誘い込み、相手の力を発揮させない戦いぶりを示していた。
 「立ち上がりではいくつか問題を抱えてしまっていましたね」と鎌田。その理由としては、バス・ドストとアンドレ・シルバの負傷により、ゴンサロ・パシエンシアが「孤立していたところがあった」ことが挙げられるだろう。後半からはよりオフェンシブな戦いをみせたフランクフルトは、スタンダールが追いかける展開になったことも影響したこともあり、2トップに入った鎌田をはじめよりフィニッシュする場面が見られるようになっている。
 

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