2019/12/24
「大好きなフランクフルト」から、先発アピールのゴールを決めたサビリ
6週間待ちわびた、先発出場のチャンス。ブンデスリーガ前半戦最終節アイントラハト・フランクフルト戦にて、期するものを心に秘めて試合に臨んだ、SCパダーボルン所属アブデルハミド・サビリ。その結果、見事なシュートテクニックによる値千金の先制ゴールを叩き込み、そしてこの試合のマン・オブ・ザ・マッチにまで選出。この特別な日を、特別な形で締めくくることに成功した。ところで、あのシュートは実は偶然によるものだったのだろうか・・・?
「練習の賜物だよ!」と明るい表情を浮かべ答えた同選手。「基本的に練習後には20本から30本ほどのシュート練習を追加で行っているんだけど、ここのところは特に集中的に取り組んでいたんだ。確率はなかなかのものがあったんだよ」と、シュート場面について説明している。「あの時は背後がフリーだったし、ターンをしたら大きなスペースが空いていると気づいていたんだ。」
特にここのところベンチで見守る日々が続いていたサビリにとっては、「本当にベンチは嫌なんだ。辛いものがあるよ、これもサッカーの世界ではつきものだけどね。監督の決断だし、僕としてはチャンスを得た時にそれをとにかく全力で活かしていくしかない」とコメント。なかでも今回は「得意とする」左側のCMFでのプレーで活躍をみせており、「理論的にはまたチャンスは来るだろう。正直、僕には休養なんて必要ないよ。十分に休んでいるからね」と意気込みをみせた。
ちなみに今回の相手、アイントラハト・フランクフルトは、自宅があり「友人みんながアイントラハトファン。僕もね」というサビリにとって特別なクラブだ。「もちろんこういうクラブを相手にアプールできたことは何よりだよ」しかしながらその一方でフランクフルトにとってはこの敗戦で、前半戦のリーグ戦最後の7試合を未勝利でフィニッシュするという、想像だにしなかった惨劇で2019年の幕を閉じることなど1ヶ月前には誰も想像していなかったに違いない。
ヒュッター監督、順位表では「深刻」も「自信」を強調
アディ・ヒュッター監督は「順位表では非常に深刻なものがある」と述べ、「現状について、決して満足などできるものではないし、決して喜ばしいものであろうがずがない」と厳しい表情。その一方でフランクフルトでは、昨季を支えた3トップが全員移籍した上、ブンデスリーガ最多となる公式戦56試合を戦い続けており、加えて守護神トラップをはじめ、最近ではアブラーム、ローデ、ヒンターエッガーらも負傷欠場。
パダーボルン戦では第3GKヴィートヴァルトが守っており、これらの選手が復帰する後半戦に向けて「自信をもって臨む」とヒュッター監督。これまで過密スケジュールにさらされてきたが、「間も無くしてまた、戦術面で取り組める時間がとれる」と語り、「再びまた別の顔をみせていけるようにするために、非常に重要なことだよ」と強調。確かに順位表では「深刻」ではあるが、既存の選手たちは「状態さえよければ、3大会全てで良い戦いを演じられるという姿をみせてきたんだ」と言葉を続けた。