2022/12/30

「鎌田大地にとって残留がベスト」、サッカーにおける”お金”と”飛躍”の関係

©️IMAGO/Kessler-Sportfotografie

 kickerが得た情報によれば昨シーズンのブンデスリーガ18クラブでは、合計およそ36億ユーロの収益を記録しており、これは前年度の34億7000万ユーロからの上昇を意味するなど、2018/19シーズンに記録したピーク(40億2000万ユーロ)にはまだ遠く及ばないとはいえ、コロナ禍における財政的谷間の底値を脱した感を与えるものではあるだろう。それでは間も無くして迎える、今冬の移籍市場にはどのような影響が見込まれるのか?

 「コロナ禍によって多くのクラブが、これまでのようにお金を使えなくなったり、逆に一部のサラリーを支払いきれないような事態に陥っていた。高額な契約の延長などについてもいえるね。その結果でメッシやクリステンセン、アラバといったトッププレーヤーが無償で放出されるという状況が生まれていたんだよ」とアイントラハト・フランクフルトのマルクス・クレーシェSDとコメント。選手とクラブで「以前は決して起こらなかったことだが、意見のかけ離れがこういう事態を招く」と振り返る。

 財政的にはコロナ禍にひとまず終止符が打たれたとしても、フランクフルトのような「移籍金による収入へと依存している以上、こういった展開はあまり望ましいものとはいえないね」と危機感を募らせており、「しっかりと備えに集中していくこと。私の責務はクラブを中・長期的に方向づけしていくことにあり、選手の引き留めに際してサラリー面の膨張化をいう事態を招くようではいけない。短期的な成功のために長期的な未来を危うくしてはいけないんだ。たとえその結果でフリーでクラブを後にするようなことになっても」とクラブの飛躍とお金の使い方について説明。

 つまりは例えばそれはエヴァン・ヌディカや鎌田大地のような主力選手と共に直面する課題であり、「我々としては是が非でも、彼らを引き止めたいと考えている。そしてそこでは、適切なオファーとともに、ここアイントラハトにおける彼らの将来性、果たしてもらいたいと期待する役割についても、しっかりと説得した。あとは我々としては結果を待つのみ。きっとアイントラハトに残留することが、彼らにとっても最善の選択であろうと確信している」と語る。

 だがそれはクラブのみならず、選手にも同様にいえることであり、確かにそれぞれのクラブがもつ名声や金銭面についてはともかくとして、選手からみてサッカー面で考えた時、フランクフルトが最善の選択えある可能性は決して否めないだろう。ヌディカについては確かにその才能を高く評価される反面、まだプレー自体に安定感がなくとかく強豪クラブでの競い合いとなった場合には、なかなかそこで頭角を表すというのは難しい。

 また鎌田大地についてはここ数年間にわたって積む重ねて来た厚い信頼がクラブとの間で構築されており、たとえ数試合にわたって不振に陥ることがあったとしても、それによってチームのキープレーヤーとしての立場を失う不安に駆られる必要がない。改めて振り返った場合にフランクフルトだけでも、アンドレ・シルバやルカ・ヨヴィッチ、セバスチャン・ハーラーらが『ステップアップ』と銘打って新天地に飛び立たが、「何がいったい飛躍を促すものであるのか」、逆にキャリアの後退にしばしば繋がる懸念材料も、選手側としては決して見逃すようなことがあってはならない。

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