2023/02/26

「上位争うチーム」へ変貌なるか?岐路に立つアイントラハト・フランクフルト

©︎IMAGO/Eibner

 年始にマルクス・クレーシェSDは、アイントラハト・フランクフルトが今季目指すべき指針を、チャンピオンズリーグ出場圏内となる4位以内と明確に掲げていた。「クラブとしても選手たちも、これからさらにアクセルを踏み込んでいかないと。再び全力を尽くして戦っていけるようにね」と強調していたものの、しかしながらそこでの大一番となるRBライプツィヒとの直接対決では、特に前半でフランクフルトは真逆のパフォーマンスを露呈。最終的にはアウェイ戦5連敗を喫することになる。年が明けてからフランクフルトの試合からは、試合を通じて絶えず限界値まで出し切っているような印象は見受けられていないのだ。

 時にコンパクトさを欠き、時に打開力を欠き、時にアグレッシブさを欠いている姿が見て取れる。加えて今回のトゥータのような個人的ミスもあれば、セットプレーにおいて集中力と覇気に欠けた様子さえあった。たとえ下位に沈むヘルタやシャルケを相手に勝利をおさめたホーム戦であっても、そしてフライブルクとの1−1での痛み分け時においても、いずれも精彩を欠いたパフォーマンスが露見されており、ドイツ杯ではブンデス2部ダルムシュタットに一時逆転を許す展開に。ケルン戦ではセットプレーに対応しきれずに完敗し、先日のCLナポリ戦では立ち上がり好調も個々のミスが増していって敗戦。いくらバイエルン戦で善戦をみせたりブレーメン戦で守備の安定化をみせたとしても決して十分ではないのだ。「歯痒さ」を滲ませたグラスナー監督。

 そのナポリ戦での敗戦がまだ尾を引いていた可能性については、ジブリル・ソウは「言い訳でしかない」と言い切っており、指揮官も「こういう試合で勝てるよう、気合を入れて90分間にわたって最高のパフォーマンスを発揮していけるよう、全力を出し尽くしていかなくてはならないのだ」と要求する。無論、多くの人間が絡み合ったスポーツであるサッカーには変動はつきものではあるが、しかしながらフランクフルトのそれは目に余るもの。今こそ選手たちは奮い立つ時なのだが、ここにきて調子を崩している選手たちが多すぎる。移籍の可能性が取り沙汰されて久しいエヴァン・ヌディカや鎌田大地、イェスパー・リンドストレムらの意識が他に向けられている?そういった疑問の声を払拭していくためにも、選手たちは今はただピッチ上での好パフォーマンスによって答えを示しつづけていくしかない。
 

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