2023/05/19
グラスナー監督の誓い、フランクフルトの人々のため一心不乱に「ただ全力尽くすのみ」

©︎IMAGO/Martin Hoffmann
これまでオリヴァー・グラスナー監督はしばしば、ザクセンハウゼン地区にある伝統的な居酒屋で、その姿を目撃されてきた。その理由の1つは自身の料理の腕が「皆無」であるためであり、それはフランクフルトの住まいに引っ越してオーブンのコンセントが外れていたことに「4週間も気づかなかった」というエピソードだけみても、おそらくは大袈裟な話ではなく事実だろう。
ちなみに1年前にヨーロッパリーグ優勝を果たした際には、グラスナー監督は「この記念日のために(フランクフルト名物)アップルワインを皆さんにまたご馳走しよう」とさえ語っていたほどであり、無論まだ今回の木曜日の時点ではまだそれはお預けではあるが、それでもプライベートではヘッセン州の伝統の味に舌鼓を打っていたことは決して想像に難くない。
あとはシーズ終了後にそれを実現できるかだが、きっとそれは6月3日に控えるドイツ杯決勝RBライプツィヒ戦が影響を及ぼすことになるだろう。すでに先日にはグラスナー監督が、この夏をもって退団することが発表されてしまったのだ。
「今はノスタルジックな気分になど浸っている場合ではない」と気を引き締めるグラスナー監督。いまは新天地の模索は完全に横に置いて、シーズン終了後には母国のオーストリアの自宅に戻るだけとしており、 「このチーム、ここのファンの皆様、この街自体に対して、私は力の限りを尽くすだけの価値があるものだと考えている。そして是が非でもその期待に応えてみせたい」と意気込みをみせた。
その親しみやすさからもグラスナー監督は、アイントラハト・フランクフルトファンからの評判が高く、「買い物に出るだけで声をかけてもらい、応援してくれるんだ」とその喜びをみせた指揮官。おそらくは最終的にどういった結果であろうとも、またきっとそう遠くない日にグラスナー監督が、フランクフルトの人々の中でヘッセン州の伝統料理に舌鼓を打つ姿が目撃されることになるはずだ。