2022/11/29

W杯アルタワディ事務総長、工事現場で「推定400人死亡」と語る

©️IMAGO/ANP

 ワールドカップ組織委員会のハッサン・アルタワディ事務総長が『Talksport』のインタビューの中で、「それはあくまでFIFAの決定で、その議論には関わっていない」と前置きしつつ、改めてOne Love腕章使用禁止について支持する発言を行なった。まず「シーズンを通して行うものであるのか」が同氏にとっての基準であり、「メッセージを送るためにカタールに来る、というのは私は問題に感じますね。この部分は独自の価値観なのであり、カタールだけでなくアラブ世界全体の話なのです」と言葉を続ける。

 ドイツを含む欧州7カ国は寛容性、多様性を示すために『One Love』腕章の着用申請を今年の9月に行なっていたものの、関係国イングランド戦のわずか数時間前にFIFAから競技的制裁の可能性を伝える返事があり、最終的にいずれの代表チームも着用を見合わせたという背景があった。だがアルタワディ事務総長は、この活動が「イスラム圏の国がイベントを開催することに対する抗議だ」と主張しており、「イスラム圏でイベントを行ってはいけないのでしょうか?もしもここカタールで、もしくはとりわけカタールに向けた、つまりはイスラム世界に対するメッセージを送るのであれば、当然異を唱えますよ」と「非常に分裂的なメッセージだ」と非難している。

 一方で虹色のファングッズが没収されていたことなどについては、「ご理解ください」とアルタワディ事務総長。「私たちは当初より、私たちの文化や宗教を尊重してお越しくださいとお願いしておりました。カタールの文化やカタールの宗教の問題ではなく、これらの価値観は地域的なものであり、イスラム世界、アラブ世界、中東にも適応される」と述べ、「このような問題となると複雑となってきます。少なくともこれはこのエリアの宗教的価値観の基本的な部分なのです」と強調。

クリンスマン氏の発言にも言及

 さらに今回のインタビューでは先日に、英国BBCの解説者を務めたユルゲン・クリンスマン氏が、金曜に行われたウェールズ戦でのイランのプレーについて、アンフェアで絶えず審判に働きかけることが「彼らの文化だ。それによって集中力を失わせていく」など発言、その後にイランのケイロス代表監督の反論へと発展を見せていたことについて、アルタワディ事務総長は「あまり煽りたくはないので1度だけ言う」とコメント。

 ちなみにクリンスマン氏は発言後、「イラン人の友人は多く人々や文化、歴史を称賛している」と、あくまで「サッカーだけに関することだ」と説明。事態の収束をはかるためにケイロス監督に電話で連絡をとることも明らかにしていたのだが、アルタワディ事務総長は改めてこのクリンスマン氏の言葉は「非常に上から目線」であり、かつ「人種差別的」だったとし、「彼は文化を否定的に描いた」と指摘している。

出稼ぎ労働者の死者数は「推定で400人前後」

 また今回のインタビューでは相手を務めたピアーズ・モーガン氏から、ワールドカップの建設現場で亡くなった人たちの数について問われ、以前は3人としていたものの「推定では400人前後。400〜500人。正確な数字は知らない」と返答。「1つの生命が失われることはあまりに重い」ことを強調し、近年のカタールにおける労働条件や出稼ぎ労働者の宿泊施設、カファラ制度の廃止などの改革について強調した。

 W杯はその加速を後押しするものだとの考えを示しているが、ただ英紙ガーディアンでは過去10年間にアジア5カ国から訪れた出稼ぎ労働者が、のべ6500人以上死亡していると報じており、カタール側は頑なにこれを否定。ドイツなど欧州のサッカー協会は出稼ぎ労働者の補償基金とドーハへのワーキングセンターの建設を求めている。

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