2023/05/20
今季引退のペーターゼン、ホーム最終戦で「二点目決めた時、また契約の話が出ちゃうなと思った(笑」

©︎IMAGO / Langer
今年3月末に今シーズン限りでの引退を表明した、ニルス・ペーターゼン。かつてバイエルン、ブレーメンでプレーした大型FWは、8年半前にSCフライブルクへと加入。そこでドイツ代表への飛躍を遂げたのみならず、ブンデスリーガ史上最高のジョーカーとしての最多得点記録も構築するに至った。そんなペーターゼンにとって最後のホーム戦となった金曜夜、この日も後半70分に堂安律との交代で投入されると、わずか5分後にはこの試合の決勝点となる2−0とするゴールを決め、さらにその10分後にはサライのクロスに頭で合わせてダメ押し弾。
「この2点目が決まったとき、これはまた新しく契約の話がでてきちゃうな、と思ったね」と笑顔で振り返ったペーターゼンだが、無常にもゴールはVARの介入によって無効に。「絶対に決まっていたと思うんだけど」と悔しさを滲ませつつ、改めて引退について「時には最も良い時に引くべき時もあると思うんだ」と述べ、試合終了の笛の音がピッチに鳴り響いた際には、「胸がつまる思いだった」こともDAZNに明かしている。「半歩オフサイドになっていたゴールは何個あっただろうか?おそらく半分くらいはそうかもね。幸運なことに僕は歳をとっているから、(技術導入まで)うまく避けられたよ(笑」
ただもう1つ審判による判断でペーターゼンの心を痛めたのが、その記念すべきホーム最終戦で親友のニコラス・へフラーが退場処分を受けてしまったこと。ダンカート主審になんとか撤回を求めたようだが、当然ながらそれが聞き入れられることはなく、そのため引退試合となる最終節ではへフラー不在で臨むことになる。「バスの中でも、ホテルの中でも、たくさん話をするんだ。本当に残念でならない。今日も10時半からスタジアムに来て、チコと僕はいつもここにいて、コーヒーを飲みながら、サッカーのこと以外も話す。でもそれももう終わりを迎えているんだ」
クリスチャン・シュトライヒ監督は、「この試合を忘れることなど、決してないだろう。もうこのロッカールームにニルス・ペーターゼンがいなくなるということが、どんな感情を与えるのか想像もつかない。彼はたとえベンチスタートが増えても、チームのために全てを出し尽くし責任も担ってきた選手だ。我々が生涯を通じてこれからも繋がりを持ちつづけていくよ」とコメント。
またその後チームやスタンドの観客からも大きな声援を受けた同選手について、主将クリスチャン・ギュンターは「長年、このクラブのために尽くしてくれた、その当然の報いだと思う。本当に素晴らしい人格者だ」と賞賛。この日は自身にとっては非常に不慣れなベンチスタートでの出場となったギュンターだが、実はペーターゼンの前に先制点をあげるなどジョーカーとしての活躍も披露。「ずっと彼の背中をみてプレーしてきたからね。彼から自然と教えられたものがあったのかもしれない」
そう笑顔をみせたギュンターは、改めて「このチームは本当にうまくまとまっている。上位にいるのは伊達じゃない」と先発、ベンチ、新戦力らが一体となった強さについても強調。その代表格であるペーターゼンが最後の置き土産として、クラブ市場初となるチャンピオンズリーグ出場権を残していけるか。それはこれからのウニオン、ライプツィヒ、そして自らの結果次第だ。