2020/06/25

復調果たしたイビセヴィッチ、来季の去就は不透明のまま


 かつてVfBシュトゥットガルト時代に活躍した時の恩師、ブルーノ・ラバディア監督に下で復調を果たし、その後のチームの好調な戦いぶりに大きく貢献した、ヴェダド・イビセヴィッチ。kickerとのインタビューの中で、指揮官は「まさに我々が必要としていたリーダーだった」と賛辞をおくり、まだあと数年はやれるとの見方も示しているところだが、しかしながら今季までとなっている契約延長のオファーは届けられないままだ。その理由は、投資家ヴィントホルスト氏からの投資がまだ明確となっていない上に、ヘルタのFW陣における複雑な事情にある。
 まずラバディア監督自身が来季に向けて、新たなFWの獲得を模索しているとも言われており、その一方で先日はレンタルで加入中のピョンテクが、レヴァークーゼンを相手に加入後最高のパフォーマンスを披露。加えてフローニンゲンにレンタルしていたリダンがすでにベルリンに戻っており、またダヴィー・ゼルケについても、ブレーメンがこのまま降格した場合にはひとまずFW陣の中に数としてもサラリーの枠内としても名を連ねることに。特にこの半年のパフォーマンスを考えれば、買い取り手がすぐにみつかるかは疑問だ。そのためヘルタではヴォルフ、シェルブレッド、グルイッチと共に、イビセヴィッチも失う可能性がある。

 マネージャーを務めるミヒャエル・プレーツ氏は、同じ状況にあるペカリクと共にイビセヴィッチとも、「話し合っている」としており、グルイッチについては「リヴァプールが復帰させて準備期間に参加させたいと感得ているんだ。それからどうなるか、見ているよ。ただ彼のことはいつでも、うちは興味のある存在だ」と述べており、諦めない一方で穴埋めの必要性も同時に伺わせている。
 また今回対戦するグラードバッハのエベールSDは、先日シュピーゲルに対して、ヴィントホルスト氏という大きな後ろ盾を得たことによって「一躍、来季に向けて名乗りを上げた」と指摘した上で、「自分たちは10年かけて残留争いから欧州リーグを争うクラブになったことを誇りに思う。パトロンもなしに、自力でね」とチクリ。これにプレーツ氏は反応をみせ、真意を確かめるべく「マックスと土曜日に話し合う機会はある」と語った。

 また2011年にバイエルン・ミュンヘンから加入して以降、守護神として、またバックアップとしてチームを支えてきたトーマス・クラフトについては、契約が今季いっぱいで満了することから、アイントラハト・フランクフルトからの関心も伝えられていたものの、まもなく32才を迎える「トーマスは、現役からの引退を考えている」とプレーツ氏は明らかにしている。
フリーデはヴィースバーデンで構想外
 今冬にブンデス2部ヴィースバーデンにレンタル移籍していたシドニー・フレーデだったのだが、ここまでリーグ戦わずか1試合の出場にとどまるなど、関係者すべてにとって思惑とは大きく異なる結果に終わっており、リーグ戦再開後に至っては全く出場機会が得られていない。そのため来季も同クラブにとどまることは、もはや無いといえるだろう。
 

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