2022/10/06

ヘルタとヴィンドホルスト氏、これから最後の共同作業へ

 ブーイングや怒号が何十分も続く中で、5月末の日曜日に行われたヘルタ・ベルリンの定例会では、ラース・ヴィンドホルスト氏がホームの前に立っていたとは、とても言い難い光景が広がっていた。のべ3億7400万ユーロというブンデスリーガ史上に残る投資を行いクラブの存続を確かなものとしたにも関わらず、「ヴィンドホルスト、出ていけ」コールの猛烈な逆風雨の中で続けた演説では、それでも同氏は「10年、20年までいる」と強調。それをある者は約束と受け止め、またある者は脅迫とも受け止めていた。
ただそれも結局のところ遅かれ早かれ、すでにヴィンドホルスト氏は恒久的にヘルタを後にしたいと考えている。つまり次の投資家さえ見つかるならば、ヘルタ130年の歴史における1つのドラマが幕を閉じることになるのだ。すっかり見せ物小屋で演じられた失敗作という名のドラマが。

 確かにすでに初期段階から両者の間には失望の色が見て取れていた。いかに自身が注目されていないのか。そしていかにお金が無に帰していったのか。ヴィンドホルスト氏はその失意を顕にしていたのだ。クラブ側は当初高い期待を抱き、ヴィンドホルスト氏の要請という形でまずはユルゲン・クリンスマン氏、その後にイェンス・レーマン氏を相談役会に送り込み、今はこれからは上層部を一新して再出発しようとしたその矢先、またしても疑惑の迷宮の中であることが白日の元にさらされることに。それはもう取り返しのつかない事態へと発展。ファイナンシャルタイムズに報道によるとウィンドホルスト氏は、イスラエルの探偵社に依頼し、ヘルタのヴェルナー・ゲーゲンバウアー前会長を誹謗中傷することを依頼、彼の失脚へと後押しさせたことが伝えられている。

 これが事実であるかは不透明だが、ただテルアビブの裁判所にて公開から数時間以内に確認できた226ページ以上にも及ぶファイルには、あまりに多くの詳細やメール、チャットの履歴などで埋め尽くされており、今後のヘルタにおける協力関係の継続を完全に閉ざすほどのものだった。そもそも14年間の在任期間を経て、すでにクラブ内においても物議を醸していたゲーゲンバウアー氏と、敢えて誹謗中傷する必要があったのか。こんな終わり方は、まさにこのストーリーの「オチ」と表現できるかもしれない。2019年に財政破綻に迫っていたヘルは、ヴィンドホルスト氏という難癖のある大株主を迎え入れ、逆にヴィンドホルスト氏にとっては都合のいい買い物ができたように感じたかもしれないが、長きに渡りその変化がみられることはなく、移籍でも巨額の投資をヘルタが気前よく処理し失敗作を作りあげている。

 水曜日には互いに意見交換を行う場が設けられたものの、ヴィンドホルスト氏はその後の声明によりバーンスタイン会長を攻撃する方法を選択。これにクラブ側は冷静な反論を展開しており、就任100日を迎えたバーンスタイン会長は危機管理能力が求められているところ。つまりは次の投資家をできるだけ早期に見出さなくてはならないということでもあるだろう。これは財政難のクラブ、そしてヴィンドホルスト氏にとってもかなりの挑戦だ。水曜日の声明でクラブ側は「ヘルタとテナー社の投資家、および債権者の利益のために、投資家探しのサポートをヴィンドホルスト氏に提供する」ことを強調。これが互いに有害な存在となってきた両者にとっての、最後の共同作業ということになる。

ヘルタBSC ヘルタBSCの最新ニュース