昨年窮地から救ったマガト監督、ダルダイ監督就任は「正しい人選」

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　ヘルタ・ベルリンはパル・ダルダイ新監督の下、月曜の午後３時半から練習場へと入った。そこでのファンの温かな拍手に、指揮官は「それが必要なんだ」と返答。３度目の救出劇を完遂させるためにはファンの後押しはもとより、守備の安定化や決定力の向上、セットプレーや戦術面での改善など数多くの分野で要求されることになる。さらにリラックスさも重要な要素であり、この日はサッカーテニスなど楽しむことを重視。「押さえつけられた選手ではなく自由にプレーする選手が必要だ。まだまだ可能性はある。それでもチームは不安を感じており、そこではみんなからのサポートや前向きなエネルギー、メンタリティが必要となってくる」と訴えた。

　昨季もほぼ同じ時期に監督交代を行なったヘルタ・ベルリンでは、フェリックス・マガト監督の下で特に守備面とセットプレーの改善から降格を免れており、それは今も変わらず解決しなくてはならない課題となっているところ。また今回ダルダイ監督は若手選手を織り交ぜながら練習をこなしていたが、そこには膝の負傷から回復を目指しいるケリアン・エンソナとともに、ステヴァン・ヨヴェティッチも不在に。先日のシャルケ戦では得点やアシストなどで最も目立つ存在となっていたモンテネグロ人ストライカーだが、こちらは筋肉系の問題を抱えていることが明かされた。ただキッカーの情報によると週末復帰の可能性は現実的となっている模様。ただエンソナと出場停止のウレモヴィッチ、復帰したてのチデラ・エジュケはダルダイ監督の初陣で欠場の見込みだ。そんなチーム状況について、昨季にヘルタを窮地から救ったフェリックス・マガト監督が私見を語っている。

…ダルダイ監督復帰の決断：「ここのところ示されてきたクラブが掲げる哲学にマッチしたものだと思うね。ダルダイ監督は常にクラブと近くにいた存在であり、ただ１つ明確となっているのは、息子のマルトンを通じてこの上ない情報を手にした人物でもあるということだ。これほど良質の情報を得ることができる監督は他にはいない。だからこそ決断できるところがある」

…過去２回窮地を救うも今回は６試合のみ：「総じて見て準備不足の不安は否めない。残り６試合というのはなかなか厳しいものがあるよ。土曜日にはここのところはぱっとしないブレーメン戦が控えており、ヘルタとしてはここで何とかしていけるかもしれない。とにかくシーズン中に就任した監督としては早期の勝利を手にしたいところだ。」

…先日も５失点。安定化が最大の課題？：「守備の安定化がその全て、それ以外のなにものでもない。攻撃面では常に守備を行うことよりも難しいものであり、むしろ闘争心をもって精力的に動いて相手にプレッシャーを仕掛けるほうが、うまくいく確率というのは高いものだ。そしてパル・ダルダイ監督派チームを正確に把握しており、初戦からさっそく正しい判断を下すための十分な情報も持ち合わせていると思う」

…最下位に沈むヘルタの状況：「１年前に残留を果たした直後、キッカーとのインタビューで「クラブからのサポートを感じられない」と口にしたところ、それに憤慨した人が何人かいた。ヘルタの問題はもっと根深いところにある。具体的にそれがどこかといえば、そのためには私の在籍期間はあまりに短かすぎた。あのときはクラブどうこう以前に、とにかく勝ち点を稼ぐことしか頭になかったから。ただ私の目からは１年前の残留後もクラブからはあいもかわらずだな、という印象を受けていた。ここで就任したダルダイ監督は、現役時代やコーチ時代も含めてヘルタにおけるネットワークをもつ人物。充実したサポートも受けられることだろう。彼はこのクラブの全ての人たちを知っており、彼の復帰は理解できる決断だと思うよ」

…昨季の救出劇ではセットプレーが鍵だったが今は弱点：「昨季の残留にはプラッテンハルトと彼のセットプレーの力によるところが大きかった。あの時には彼は８得点に直接絡むなど、彼は傑出した存在となっていたよ。彼なしで残留はありえなかったことだろうね。私はセットプレーを集中的にトレーニングしていたんだ。今の状況については練習を見ていない以上は何ともいえない。遠くから見ている分には、１年前には私は５人の若手をトップチームに昇格させていたが、そのうちの誰も現在トップチームにいないことには驚いているよ」

…再度要請があったら受けていた？：「それはタラレバだ。私は理由を見出せたときだけ、その状況に対応していこうと考える。もちろんヘルタのことはずっと見てきたが、ただ１年前とは異なるチームであり多くの選手が新しくなった。ここで変更するということ事態、まったく問題のないということではないのだし、残り６試合しかないというのはタフだよ。１年前だって８試合と入れ替え戦があったのだ。それでギリギリだった」