2022/12/10

ブラジル代表、痛恨のW杯敗退。ティト監督のPK選択が致命傷?

©️IMAGO/Agencia EFE

 少なくとも試合後にブラジル代表キャプテン、チアゴ・シウバはテレビカメラの前でインタビューに応じる姿をみせてはいたものの、それ以外の同僚らは試合後も引き続きロッカールームへととどまっていた。それでも38歳のベテランから出た言葉は、「とっても辛いし、言葉にすることができない」という表現しかなく、優勝候補として目されながらもPK戦の末にクロアチア代表に屈し、「ワールドカップを高々と掲げたかった。でもそれはもう叶わない。皆がどうしても果たしたいと思っていただけに本当に辛い」と絞り出すのが精一杯だった。

 ただ実際にこの試合でブラジル代表が優勝に見合うようなパフォーマンスをみせていたのか、それには疑問符がつくところだろう。確かに後半からはブラジル代表は幾度となくチャンスを手にしつつも、相手GKドミニク・リヴァコヴィッチがその前に立ちはだかりつづけ、延長戦ではネイマールの技ありの一撃で待望の先制点を奪うことに成功したが、クロアチア代表のこの試合唯一枠内を捉えたシュートがPK戦へともつれこませることになる。一見すると敗戦は不当の結果にもみえなくはないが、だがとりわけ前半戦の攻撃や、延長戦での失点につながる致命的なスペースの供与など、ブラジル代表の余裕をもちすぎた代償がこの結果に繋がったともいえるだろう。「もっと組織的に、もっと集中してプレーすべきだったかもしれない」とチアゴ・シウバも反省を述べている。

 ティト監督は、改めて「私は痛みを理解しているし、いかなる批判も受け入れる覚悟だ」とコメント。1年以上にも明らかとなっていたように61歳指揮官のブラジル代表監督の幕は、思わぬ形でこの日に終幕の時を迎えている。カメルーン代表戦における選手入れ替え、韓国戦でのゴール後のダンス、そして再びクロアチア戦での選手入れ替えについても、これらの問題が今後ティト監督に突きつけられることだろう。「素晴らしいプレーをしても、負けることはあるんだ」と振り返ったとしても、だ。「これがサッカーであり、私はこれを受け入れている。総じて見れば非常に良い大会だった。ただ最後はもっと効果的にプレーすべきではあったが」

ネイマールのPK5番適用が決め手に?

 最終的にその勝敗を分けることになるのが、前述のPK戦である。1番手ロドリゴ、2番手カゼミーロ、3番手ペドロ、4番手マルキーニョス、そして5番手にネイマール。「もっともプレッシャーのかかるところだからね。」だからこそのネイマールの5番手指名だったのだが、これが結果的には裏目にでる。ロドリゴとマルキーニョスが外してしまったため、その切り札は最後まで温存されたままで終わりを迎えたのだ。これで2002年優勝以降の5大会のうち実に4大会で準々決勝敗戦。母国開催での4強で敗れたドイツ戦含めいずれも、欧州の国々が立ちはだかっている。ロスタイムで一時歓喜に揺れたネイマールとファンたちは、失意のどん底へと叩き落とされてしまった。

 特に試合後のSNSでは1番手で起用しなかったことへの疑問の声が噴出。ただリオ五輪の時のように5番手で登場し、最後に勝利の英雄として讃えられることを想像していたもかもしれない。また1つの例としてクリスチアーノ・ロナウドの場合、ユーロ2012準決勝スペイン戦では同様に最後に出番なく敗れたが、2006年W杯イングランド戦では最後にゴールをきめてみせたのも事実だ。ただ一方で同じ2006年W杯ではイタリア代表は決勝で、アンドレア・ピルロを敢えて1番手として起用し、その後の優勝への流れに導くシグナルを灯してみせたという例もある。

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