2023/02/16
ペップ「私の戦術が問題」も、その中で輝きをみせたハーランド

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確かにマンチェスター・シティは水曜夜に行われたプレミアリーグ頂上決戦、FCアーセナル戦で3−1と勝利をおさめ、再び首位奪還を果たすことに成功した。だが実際にはこの試合の特に前半ではむしろ、FCアーセナルがリードを奪って然るべき戦いぶりをみせており、グアルディオラ監督が採用した3ー2−4−1システム、特にボランチのベルナルド・シルバを左サイドバックとして起用するという作戦は大して成果をあげることはなかったのである。なにが問題だったのか?この問いに指揮官は試合後、「私の戦術だ」と自己批判的に返答した。「新しいことを試みてみたのだが、結果はあんまりだったね。入れ替えた後から、また本来の姿を取り戻すことができたよ」
事実それは数字の面でも表れている。本来ならばグアルディオラ監督の代名詞ともいえるポゼッションについてはわずか36%を記録。これはグアルディオラ監督が指揮をとったリーグ戦の中でも最低の数字になるという。ただ皮肉なことにそれ故、今回の首位奪還に成功した可能性もあるのだ。というのも今季25得点をマークしているエルリング・ハーランドについては、その持ち味である深い位置へと切れ込むプレーがマンチェスター・シティのサッカーでは極端に少なく、そのためここのところは存在感の薄さが批判のポイントとなっていた。だがこの日は26得点目をマークし、グアルディオラ監督も「素晴らしい」ゴールをみせたハーランドに対して「大いに我々の助けとなってくれた」と称賛。
いつになく多かったロングボールに、ハーランドは自慢の快速を飛ばして相手センターバックを翻弄。「我々としてはもっと頻繁にあのような、もっとダイレクトなプレーをしていくべきだし、とりわけマン・ツーマンでプレーしているときには、エルリングのような武器をうまく活かしていかなくてはならない」と説く。しかしながらプレミアリーグでそのようなリスクをおかすチームは、決して多くはないこともまた周知の事実であろう。なぜならばそれだけマンチェスター・シティにより多くの得点チャンスを与えることにもつながるのだ。「今は無得点20分が経過しちゃった、もっとがんばらないと」と笑顔をみせたハーランド。これから迎えるノッティンガム、ボーンマス、ニューカッスル、クリスタル・パレス、ウェストハムといったあたりとの戦いでは、再びハーランドにはあまりスペースは生まれない覚悟が求められる。