2023/02/20
モンチSDとサンパオリ監督の関係修復?分岐点にあるセビージャ

©︎IMAGO/Pressinphoto
2016/17シーズンにセビージャFCが大きな飛躍を遂げた、その立役者であるモンチSDと再び、ホルヘ・サンパオリ監督は、今シーズンから共に道を歩むことになった。しかしながらシーズンの出だしはまさに不調で、リーグ戦では下位争いを展開し、またチャンピオンズリーグではヨーロッパリーグ降格。この2人であればきっと事態は打開されるという強い期待感が抱かれていたのだが、冬季移籍市場では積極的なアプローチをファンのみならず指揮官も抱いていたが、実際にはそうならなかったことで2週間前のバルサ戦での会見ではサンパオリ監督は目に見えて不快感をあらわにしていた。
元々はプレッシングを重視するサンパオリ監督のプレースタイルに対して、前任者のロペテギ監督は支配的で組織的なポゼッションサッカーを志向するチーム作りを行なっており、そのため選手のタイプがなかなか合わないことから開幕より試行錯誤を続けていたという背景もある。そのためリーグ戦ではほぼ毎回新しい基本フォーメーションでスタートし、試合中であっても前半で交代することさえ珍しくはなかった。加えて夏に移籍したジュール・クンデやディエゴ・カルロス、ルーカス・オカンポスといった選手たちの穴埋めができなかったという背景もある。
まさに一触即発という流れにあったが、それでもセビージャはここ数週間は、全体的にやや上向き傾向になった。そのバルサ戦での敗戦と、コパ・デル・レイでの苦い敗戦を除けば、ここ6試合で4度勝利をマークしているのだ。加えてそのうち4試合では無失点を記録。何より下位とのカディス、エルチェ、マジョルカとの直接対決を制したことで、降格争いから大きな余裕が生まれたことは大きく、いまや欧州リーグの再出場さえ夢見ることができるようになったことで、マジョルカ戦後での抱擁のようにサンパオリ監督とモンチSDとの関係性にも修復がみられはじめている。これから過去10年間での優勝回数は実に4度、圧倒的な強さを誇るヨーロッパリーグでの戦いで更に勢いを増し、この危機的状況からから完全に脱するきっかけとしていきたい。