2023/02/22
ティエリー・アンリ氏、リヴァプールは「一時代の終焉を迎えた」

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火曜夜リヴァプールのファンたちは感情の起伏に苛まれてなくてはならなかった。ダーウィンの先制に続いて、前半12分にはサラーが、スピードへの対応に苦しむアラバに襲い掛かり、さらにGKクルトワのミスにも乗じる形で、開始早々リヴァプールFCは2−0とリードを奪って見せる。確かにヴィニウス・ジュニオールによる「ワールドクラス」のスーパープレーもあったとはいえ、前半で明らかに試合の主導権を握っていたのはホームのリヴァプールだった。
ただアラバが前半26分に大腿裏の違和感を訴えてから徐々に流れは変わっていく。右利きながら4バック全てでプレー可能なオールラウンダー、ナチョが左サイドバックに入るとそこで期待に応えるプレー。左サイドを沈静化させたのみならず、ベンゼマらのカウンターを後押し。前半を終了するころには王者レアル・マドリードが既に振り出しに戻し、「あとはレアルのやりたい放題となってしまったね」とユルゲン・クロップ監督は振り返った。
リュディガー「こんな試合は初めて」
レアルのアントニオ・リュディガーは、そのヴィニシウス・ジュニオールの同点弾について「あんな風に戻せるなんで凄いね」とDAZNに対して興奮気味に述べ、「あれが自信と落ち着きをもたらしてくれた」とコメント。「ああいう選手がチームにいることは本当に素晴らしいよ」とも付け加えている。確かに運も味方につけた得点もあったとはいえ、「今日のような試合は経験したことがないね」と胸を張ったリュディガー。セカンドレグに向け「前進し続け、勝利のためにプレーしていく」と意気込みをみせた。
逆にチャンピオンズリーグではクラブ史上最多となる5失点でのホーム戦大敗を味合わせていることになったリヴァプールだが、クロップ監督は「どの失点についても、我々から献上してしまったもの。本来ならばもっとうまくやれたはず」とコメント。ただ「まだこの対決に決着がついたわけではないさ」と少し疲れたような表情で笑顔も浮かべつつ強調し、「カルロ(アンチェロッティ監督)は決まったと思っているかもしれないが。今は再び軌道修正をはかるとき。落ち込んでいる場合ではないよ。これからまた数日かけてしっかりとトレーニングしていく。」と語っている。
アンリ、ギャラガー、ジェラード氏らから厳しい声
この試合を観戦していた各専門家たちの見方もまた厳しいものだ。例えばティエリー・アンリ氏は『CBS Sports』に対し、「ブレントフォード戦(1−3)やウルブス戦(2−2)、そしてブライトン戦(0−3)など、あまりに多くの失点を許している」ことを引き合いに出し、ジェイミー・ギャラガー氏は改めてリヴァプールの守備面を「惨状」と表現。さらにアンリ氏はその「脆弱」さの改善には「変化」が必要であり、「一時代の終焉」とみる。「クロップ監督が変わるべきとはいわないが、もう一部の選手はもはやリヴァプールで戦うレベルにはない。いくらいい選手であってもそういうときはくる。私もそうだった」
またリバプールのレジェンド、スティーブン・ジェラード氏は”BT Sport”に対して、「現実の認識の問題だ」と説明。実際にこの試合でレッズは「完璧な立ち上がり」をみせていたにもかかわらず、「5失点を喫してしまった。そうなってくると、どんなクラブであってもその疑問に直面することになる。明らかに不十分だったんだ」との見方を示した。いずれにせよ1つだけ確かなことは、準々決勝進出を果たすにはもはや、奇跡を願うしかないということだ・・・。