2023/02/23

クロップ・リヴァプールが迎えた、一時代の終焉の形とは

©︎IMAGO/PA Images

 ルカ・モドリッチとレアル・マドリードは、アンフィールドに詰めかけた観衆より盛大な拍手を受け見送られてた。そう、それはまるでヨハン・クライフが、かつてバルサの一員としてプレーした、あの日のように。チャンピオンズリーグでクラブ史上最多失点となる、5失点という大敗を喫したリヴァプールFCの選手たちに対して、このように檄を飛ばせるリヴァプールのファンたちのサッカーに対する造詣の深さを改めて知らしめるものである。つまり3・4年前には世界一とさえ言われたそのサッカー、その一時代に終焉のときが訪れていることを感じ取っていたのだ。

 とりわけ開始早々に2−0としながらも、その後の余りある劣勢ぶりを露呈しての今回の敗戦劇は、改めていかに8年目を迎えているクロップ監督が、再び大鉈を振い改革に乗り出さなくてはならないかという、その必要性の大きさを示すものである。実際のところそれはクロップ監督は以前より感じ取り既に着手しているテーマであり、またこれまでそうは考えていなかった外部の人々も痛感させられたことだろう。いまや必要とされるのはボルシア・ドルトムントのジュード・ベリンガムなど、中盤の補強へ視野を入れるだけでは足りない。守備陣のおいてもフィルジル・ファン・ダイクやイブラヒマ・コナーテをカバーできるだけの、非常に高いレベルにあるセンターバックの獲得もまた求められているところ。

 ただ何よりレアル戦後に「軌道修正をはからなくてはならないよ」と指揮官が述べているように、この混乱した展開とここまで続く残念な結果の流れを食い止め、そしてまだ可能性が残されて入るチャンピオンズリーグ出場権の確保を目指し戦い続けていかなくてはならない。その点で言えば今冬に獲得したコーディ・ガクポ、昨夏加入のダーウィン、そして状態が戻ってきたモハメド・サラーなど、攻撃陣については上昇気流に入っているのは好材料だ。

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