2023/03/05
ラッシュフォードの活躍に目をほそめる敵将、ユルゲン・クロップ監督

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「特に私がボヤクようなことは何もないよ」そう発言したユルゲン・クロップ監督だが、しかしながら今シーズンにおいてそれは珍しい会見の部類に入ることは、自らも自覚していることだろう。最近2試合で勝利をおさめているリヴァプールFCではあるのだが、ただシーズン全体をみれば決して思うように事が運んでいるわけではない。ただここで1つのきっかけとしたい指揮官の雰囲気は上々なもので、「今の最大の関心事は試合に勝利するということ、そうすれば負けたあとのくだらない質問に答えずに済むからね」と、ちゃめっけたっぷりに答えた。ただそれは今回はそう容易なことではないだろう。それは「今回は相手のチームのことについては話したくはない」という希望を叶えられないほどに。
日曜夕方に控える一戦の相手、それは最近11試合で9勝2分と無敗を継続し、さらに先日には2017年以来となるタイトルをリーグカップ戦で制した、文字通り今まさに波に乗るマンチェスター・ユナイテッドなのである。「彼らは本当に素晴らしいサッカーをしているし、そして立て続けに結果に繋げている」とクロップ監督。「彼らが今みせているものはリスペクトに値するものだ。ただ私は今、そのことを気に掛けるわけではないがね。今は彼らは良い時期を過ごしているが、過去数年はその逆で意味を為さなかったのだから。心身ともに充実させ感情面でうまく対応し、また良いプレーをみせていくことだよ」
そしてその暁には上位争いにさらに参入していくための足掛かりを構築していきたいところ。そこに立ちはだかるのが「人生最高潮」と評するマーカス・ラッシュフォードだ。「マンチェスター・ユナイテッドにおけるポジティブな発展を喜ぶというのは、リヴァプールの監督としては非常に難しいところがあるがね。ただ正直言って昨年に困難な状況に陥っていた、ラッシュフォードを思うと私は本当に嬉しく思うのだよ」とクロップ監督。さらにマンチェスター・ユナイテッドの復活を支える守備面、神出鬼没のブルーノ・フェルナンデスや、チームをあらゆる部分をつなぎあわせるカゼミーロなどへの高い評価も併せて強調している。
両監督がファンの過度な加熱に釘
そしてクロップ監督はファンに対して、「リヴァプールとマンチェスターUとのライバル関係や特別なものであり続けている理由、それはその激しさと誰も変えたいとも思っていないからだ。ただそれが激しくなりすぎると誰とってもよくない方向に進んでしまう」と過度な反応に釘を刺し、「特にサッカーにはふさわしくはないチャント」のような「毒を取り除いていければ、誰にとっても良いものとなるはずだ」と訴えており、一方のテン・ハフ監督も「このライバル関係は世界屈指のものがあるし、そのファンの情熱を愛してはいるのだが、ただ決して超えてはいけない一戦がある」とし、ハイゼルやヒルズボロ、ミュンヘンの悲劇にまで引き合いを出すことに苦言を呈した。
Jürgen Klopp wants his squad to make 'further steps' in their hunt for the top four positions on Sunday ✊
— Liverpool FC (@LFC) March 3, 2023