2023/03/09

UEFA:リヴァプールファン約2万人に、CL決勝のチケット払い戻しへ

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 UEFAは2022年5月28日にフランスの首都パリにある、スタッド・ド・フランスにて開催されたチャンピオンズリーグ決勝にて、開始時刻の21時までに入場することができなかった、ゲートA、B、C、X、Y、Zのチケットを保有する全てのファンに対して、払い戻しを行うことを発表した。

 本物の入場チケットを持ちながらも、改札読み取り機の不具合によって入場が拒否されるなど、大きな混乱が生じたためUEFA側は当初、偽造チケットをもったリヴァプールファンによって騒動が引き起こされたと発表していた。

 だが先日の独立調査委員会の報告によって、むしろ主催者であるUEFA側の問題が指摘。UEFAのテオドリディス事務局長は「私たちは公私にわたる多くの意見を考慮して、包括的で公正な方法を見出すことができたと考えている」とコメント。特にリバプールのサポーター組織「スピリット・オブ・シャンクリー」と「リバプール障害者サポーター協会」との「オープンかつ透明性のある対話」が実現したことに感謝の意向も示している。

 その2つのサポータークラブも、共同声明という形で「我々はUEFAによる本日の発表を歓迎する」と歓迎。なおチケットの金額は50ポンドから580ポンドまでで、全額返金にあたってUEFA側は340万ユーロほどを負担。決勝戦にてリヴァプールに割り当てられていた1万9618枚のチケットは、UEFAではなく当時クラブが販売しており、そのため今回はまず全額をリヴァプールに振り込んで、それをクラブが個々のサポーターに払い戻すとのこと。これにより手続きが簡素化され、また個人情報の保護にもつながることも期待される。

レアル側はUEFAの提案を受け入れず

 その一方でこの2日後にレアル・マドリードは「今回の提案はまだ不十分なものだと考えている」と発表。この試合ではそもそもチケットやバッグ、携帯電話や財布などの盗難被害が相次いだ上に、「身体的被害にも遭うファンまでいた」と指摘しており、今回は「返金のみとされており、スタジアムへのアクセス時間の証明など、多くの要件を満たすこととも関連している」ことなどもあげた上で、「運営責任のあるUEFA側のお粗末な対応」を批判。そのため今回の保証は受け入れず、更なる改善を要求した。

 つまりはこれまで協議してきたUEFAの答えは「制限的」な保証にとどまっており、そのため「全責任を負うよう求める」とのこと。これに対してテオリディス事務局長は、「我々は多くの意見を考慮して、(弁済のための)包括的かつ公正なシステムを構築できたと自負している」と強調している。なおレアル側は今回影響を受けたレアルサポーターからの、問い合わせに協力する用意があり、そのためのサービスが設置されることになるという。

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