2023/03/12

リネカー氏がBBCの番組を一時降板、移民政策に関する発言が問題視

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 イギリスの移民政策に関するツイートによって、ゲイリー・リネカー氏はこれからしばらくの間、国営放送BBCのサッカー解説者としての出演が見合わされることになった。62歳の元イングランド代表はソーシャルメディアの使用に関して、「ガイドラインに抵触した」とみる国営放送局との合意に至るまでは不在になるという。あくまでBBCとしては中立的立場を厳正に持つことを旨としており、「党派的な問題や政治的な論争の味方になるようなこと」を控えるよう訴えている。

 なお2009年から同氏がプレゼンターを務める「マッチ・オブ・ザ・デイ」では、ともに出演しているイアン・ライト氏も「連帯責任」として出演を見合わせており、今回の番組収録はプレゼンター不在のまま試合の動きに焦点をあてて放送。

 かつて名古屋グランパスエイトでもプレーした経験をもつリネカー氏は火曜日に、保守党政府が推進し論争となっている亡命法をめぐり、「1930年代のドイツと変わらないではないか」とツイート。これにリシ・スナク首相とスエラ・ブラヴァマン内相が憤慨しており、その結果でBBCに対する圧力はここ数日で増加。特に保守党議員からはリネカー氏との訣別を求める声さえあがっていた。

 英国政府は正式な許可なく入国した移民を、まずは拘束してその後にルワンダや他の国に強制送還することを考えており、つまりは彼ら自身の亡命を主張する権利が奪われるということに。そのため欧州人権条約にも抵触する可能性もある。

 また批判はブラヴァマン内相による「侵略」という言葉など、同氏や政府の他のメンバーも外国人に対する憎悪を煽っていると非難。BBCの解説者のなかで最も高給とりと言われ、およそ860万人のツイッターフォロワーを誇るリネカー氏は、保守党政権を繰り返し批判してきた。

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