2023/04/20
チェルシー:巨額投じるも「恥ずかしい」姿で激動の1年完結へ。チアゴ・シウバ「悲しい1日」

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トッド・ベーリー氏が土曜日にロッカールームにてFCチェルシー選手たちに対してスピーチを行ったとされており、レアル・マドリードとのセカンドレグの試合前にいったいどのような事を口にしていたのか注目が集まっている。実際に19年間つづいたロマン・アブラヒモヴィッチ氏時代の後を受け継いだ新オーナーは、GKケパによればロッカールームを訪れることは決して珍しくはないようだが、ただ今回の発言内容も普通のことだったのかどうかが問題だ。少なくとも複数の英国メディアによればランパード監督の挨拶の後に、「恥ずかしい」と言い放ったと伝えており、ガーディアンによれば関係者からの情報として「全体的に奇妙な感じだった」と振り返っている。またこの1年で投じた6億ユーロでの新戦力のうち、1人の選手をピックアップして厳しく批判を展開したとされており、ただあまりに多くの高額選手を迎え入れていることからどの選手であるかの推測は困難だ。
チアゴ・シウバの「悲しい1日」
そもそもロッカールームにおける問題に関しては、チアゴ・シウバが「オーナーが変更となり、新しい選手を獲得して、チームは肥大化した。素晴らしい選手がチームにいることは素晴らしいこと、でもその一方で必ず不満を持つ選手たちがでてくる。みんながプレーできるわけではないのだから。監督は30人の選手たちから11人を選ぶしかない。これはタフなことだよ。メンバー入りだってなかなかできない選手もでてきている」とコメント。「1月には8人と契約したし、もうここら辺で終わりにしないと。そして戦術面にとりかかっていかないと。それをしないとまた来シーズンも過ちを繰り返しかねない」と警告しており、事実それは7ヶ月で更迭されたグレアム・ポッター前監督も警告していた問題だった。シウバは改めてポッター監督やランパード監督を擁護し、「みんな監督交代について語りすぎだよ。選手である僕らも責任を持たないと。今季は三人の監督が指揮をとり、暫定監督も含めて僕たちは勝てていないのだ」と言葉を続けている。「そして今日は悲しい日だよ。これが僕にとっての最後のCLになってしまったかもしれないんだ」
何も得られなかったチェルシー激動の1年
欧州5大リーグの1つを飲み込むほどの資金を投じながらも、チェルシーはタイトルを何も獲得できず、そして欧州リーグへの出場権も得られないまま、目まぐるしい監督交代劇を繰り返したシーズンを終えようとしている。ベーリー氏がチームプレーヤーとしての能力が低いと糾弾し、いまもチェルシーファンが別れを惜しむトーマス・トゥヘル監督。長期計画として迎え入れ我慢さえすれば今後が大いに楽しみでもあったグレアム・ポッター監督、そして火消し役としてフランク・ランパード監督復帰へと踏み切ったが、状況は最後まで変わることはなかった。1年前のベルナベウでの戦いでは勇猛果敢に勝利を掴みかけた姿は遠い過去、今回ランパード監督はGKケパの前に8人のディフェンダーを配置。だがセンターフォワードの獲得を忘れてしまった現実が改めて突きつけられる格好で、「恥ずかしい」姿をまたしてもピッチで露呈してしまったのだ。これから7試合に向けてランパード監督は、今なら基盤固めに時間を費やせると前を向く。だが指揮官の契約はあと2ヶ月。選手たちは彼の言葉にどれほど耳を傾けていくことだろう。