2023/04/27
独紙キッカー解説:ただ賛辞を贈るほかない、マンチェスター・シティの圧倒的パフォーマンス

©︎IMAGO/Sportimage
長きにわたりプレミアリーグの首位に君臨してきたものの、いつかはこの日が訪れるような気がしていた。アーセナルFCは水曜夜に開催された首位攻防戦、マンチェスター・シティ戦での敗戦により遂に自力優勝が消滅。順位表では勝ち点差はまだ2残されて入るものの、最近の試合結果のみならず改めてこの日に示したマンチェスター・シティの力からも、どちらが優勝に相応しいかは明確に示されたといえるだろう。名実ともにあくまでプレミアリーグ優勝を決めるのは、マンチェスター・シティ自身ということなのだ。
確かにマンチェスター・シティが思うようにことを運べない隙を見事に突き、アーセナルは首位の座に立ち一時は2004年以来となる優勝も目の前にあるとさえ思われた。しかしながら更なる追い風を必要とする、ここぞという場面で失速。リヴァプール戦やウェストハム戦ではリードを守りきれず、サウサンプトンやボーンマスでは下位チームを相手に勝ち点を取りこぼし、そして息を吹き返したマンチェスター・シティに圧倒され敗戦。ただこれだけは確かだ、たとえ優勝を果たせなかったとしてもアーセナルにとって、リーグ戦を2位でフィニッシュし、チャンピオンズリーグ復帰を果たすだけでも十分に大きな成果であると。
無論まだ両監督が試合後に強調したように勝負は決していない。ルーベン・ディアスがもしも退場となっていたら、どうなっていただろう?とはいえあの時でも0−2だったことからシティが守りに入っただけ、という違い程度しかないかもしれない。それはミュンヘンの試合でも彼らが果たせることは証明済みだ。シティはその巨額の資金を元に、ただチェルシーやパリSGとは異なり、巧みな投資と調和をはかっていきたながら、1つ1つの歯車を丁寧に組み合わせてきたクラブ。ペップ・グアルディオラ監督の操縦により全ての選手たちがレベルアップして、まるで朝飯前のように簡単にプレーをやってのけてみえるその様は本来はとてつもない成果の結果である。
一方でマンチェスター・シティには財政面におけるルールを破ってでも投資をしたという疑惑がもたれていることも事実であり、今も調査中ではあるのだがその結果がどのようなものであるとしても、この日のプレミアリーグ首位攻防戦の舞台で演じてみせたこの圧倒的パフォーマンスには、ただただ拍手を贈るほかないものがあった。いまだグアルディオラ監督からは、完璧という言葉が聞かれることはないだろうが、それでももしかするとその日さえも訪れる予感を感じざるを得ないほどに。