2023/05/02
ロスタイム弾に狂喜したクロップ監督が大腿負傷、その背後にあった主審との因縁

©︎IMAGO/Propaganda Photo
日曜日の夕方に行われたトッテナム戦において、リヴァプールのユルゲン・クロップ監督は、7年前の就任初年度と同じ、”あるトラブル”を抱えることになった。それは同点とされた直後のロスタイムにジョッタが4−3とする決勝弾を決めた際に、第4審判員に向かって飛び出し至近距離から相手の顔に何かを叫び戻る、その瞬間に左の大腿を負傷。そもそもいったい何故、クロップ監督はそれほどまでの怒りをこの時にみせたのか。それはむしろ主審を務めた、ポール・ティアニー審判員との因縁にある。
3−3の同点とされる直前にあったモハメド・サラーが絶好のチャンスを手にした際に、主審はそれ以前のプレーをオフェンシブファウルとして判断。試合後クロップ監督は、「彼が私を見る眼差しは理解に苦しむものがある。警告を提示した時にかけられた言葉は許容できるようなものではなかった」とコメント。むしろ第4審判員のおかげで、退場処分が警告で済んだとの見方を示した。
実はティアニー監督とクロップ監督の衝突は、数年来に及ぶものだ。なかでも20021年にアンディ・ロバートソンが退場となるも、ハリー・ケインが退場とならなかった試合の後で、クロップ監督は主審を務めたティアニー氏に対して「他の審判員とは全く問題はないが、ただ君だけだ」と発言。そして今回の試合の後でも「はじめてのことではないよね」と繰り返し発言している。
ただ自身が大腿を負傷したことについては、「ちゃんとした行動をとらなかった罰だろう。その結果、これから数ヶ月は痛みを抱えることになるね。ただティアニー氏が痛みを感じることはないだろうが。次の喜びを表現するときには、もうすこしおとなしくするよ」と述べており、確かに監督として模範を示す立場ではあるものの「1人の人間でもある。でも私は第4審判員に暴言を浴びせたわけではないだ、そもそも彼は何も悪いことはしていなのだから」と強調した。
メイソン監督の指摘にチクリ、リヴァプールのファンには「それは試合のあとで」
トッテナムのメイソン監督また、ティアニー主審に対して別のことで苛立ちを覚えているところ。後に前述の決勝点を決めることになるジョタが後半81分、オリヴァー・スキップの顔面を足で蹴ったために警告が提示されていたのだが、これは「最も明確なレッドカードの1つだ」と憤慨。VARが介入しなかったことにも苛立ちをみせた。そして「本来いるべきではない選手が、この試合を決めてしまったのだ」と付け加えたが、ただクロップ監督はそのスキップが前半34分、ルイス・ディアスを激しく蹴ったことがペナティなしだったことは幸運であったと反論している。
その一方でクロップ監督は一時3−0とリードした時点で、本拠地アンフィールドから「クロップがリヴァプールの監督で良かった」というチャントが沸き上がったことに関して、「それはどうか遠慮してもらいたい。それなら試合後にバーでも、どこかでやってほしい。まだ試合中なのにこんなチャントが聞こえるなんて。まだ終わってはいないから、それをあとまで取っておいてくれた方が嬉しいよ」と理解を求めた。