2023/05/17
逆境跳ね返し胸を張るインザーギ監督、チャン会長からも称賛の声

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伊紙コリエレ・デロ・スポルトはACミラン戦での1−0の勝利後、「これはシモーネ・インザーギ監督による傑作である」との見出しを書き立てた。わずか1ヶ月前の見出しはそれとは全くことなるものであり、もはやインザーギ監督の立場が危ういものとなっていると見る声もあったものの、しかしながら火曜夜に2009/10シーズン以来となるチャンピオンズリーグ決勝進出へと導いたインテル・ミラノの指揮官は、改めて「これまでの経緯についてはよく理解している。それでも私の側には素晴らしいコーチたちがいてくれ、また選手たちもこの20ヶ月間にわたり全幅の信頼を寄せてくれていた。それは幸運なことだよ」とコメント。
「私がこのクラブへと招聘された時、近年のインテルがどういった状況であるかはわかっていた。そして昨シーズンでは(16強入で)非常に良い成績を残し、今シーズンはさらに好成績を残せている。」と述べており、「(バイエルンやバルサと同組で)当初は夢物語とも思われたかもしれないが、それでも見事なまでの勢いに乗り、こうしてダービーを制する形で決勝進出を果たせたのだから、これ以上ない満足感だ」と言葉を続け、インテルがみせる「力強さ」、「決断力」、「アグレッシブさ」、「集中力」への賛辞を送った。
またスティーブン・チャン会長は「私たちは7年間インテルのオーナーで、私は24歳の時にここに来ましたが、そのときにはCLを経験したことのない選手も少なくないなかで、今は決勝に進出し頂点に返り咲くチャンスを手にしています。私たちがここにいる限りは、日々この立場を保ち続けられるように努力を続ける覚悟です」と今後も補強など全面バックアップを約束、そしてインザーギ監督については「私はまだ31歳ですが多くの監督と仕事をしてきました。その中でインザーギ監督は特別です。どんな状況でも落ち着いており、勝敗に関わらず沈着冷静であることが彼の最大の資質なのかもしれませんね」と称賛している。
失意のACミラン、マルディーニTD「これも経験」
その一方でACミランのピオリ監督は、「準決勝まで来たなら、もちろん決勝まで進みたいものだ」と悔しさを滲ませ、また攻守にわたり「その差は歴然だった」と評したクラブのレジェンド、パオロ・マルディーニTDは「ただ今のミランは世代交代の過程にあり、これだけのビッグマッチの経験がない。全ては経験でありここまできたこと自体が大きなことだ」ともコメント。その上で「まだこれだけの大会でやっていくだけの力はつていないのだ」と経験のみならず選手層についても指摘しており、まずは次のジェノアとのホーム戦にむけ「失意を乗り越えないと」とピオリ監督は語った。