2022/11/23

独誌kicker特集:日本代表の世界への歩み、南アから始まった国際化

©️Getty Images

 直近のワールドカップである2018年のロシア大会、日本代表やその選手たちは国際サッカー舞台で脚光を浴びることになった。3度目の決勝トーナメント進出という過去最高の成績を残したのみならず、強豪ベルギー代表を相手にして一時は2−0とリードを奪う奮闘ぶり。最終的には延長戦までもつれこんで力尽きている。

 日本代表が初めてワールドカップに出場したのは1998年のフランス大会のこと。ただ当時は自国リーグ中心のみで構成された布陣で臨み、為すすべなく無得点で勝ち点0でグループリーグ敗退を喫することになる。だがそれからは徐々に海外組が加わっていくようになり、例えば次の日韓ワールドカップで大いに注目を集めた中田英寿がそうだ。当時セリエAのパルマでプレーしていた中盤のスターは、日本サッカー史上最高の選手として最も人気のある選手となっており、また当時アーセナルと契約していた稲本潤一は2試合連続ゴールを挙げる活躍を披露。最終的にはベルギーやロシア、チュニジアとのグループを生き残り、史上初の決勝トーナメント進出をも果たす。なおその稲本はその後フラム、フランクフルト、レンヌなどでキャリアを積んでいく。

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 その後の2006年大会、2010年大会までは、そこまで日本代表の国際化は進まない、確かに6人の海外組が在籍し特に期待がかかった選手の1人が当時ハンブルク所属、高原直泰だったのだが最終的にはグループリーグ3試合で無得点。その期待を大きく裏切ることになり、特に大会前からkickerでは海外クラブでのベンチプレーヤーが多い点について指摘、実践経験の不足という問題もある中で日本代表勝ち点1でグループリーグ敗退を喫する。だが2010年は海外組は4人にまで減少し、kickerでの見方もむしろ「海外の差は広がった」と悲観的ムードが漂う中で、日本代表は決勝トーナメント進出を果たしパラグアイ代表に惜敗というサプライズを演じてみせたのだ。

 それから2014年に迎えた、ブラジル・ワールドカップ。最終的には再び勝ち点1でドイツ大会と同様にグループリーグ敗退という結果にはなるものの、ただこの日本代表は国際化の始まりを告げるチームであり、はじめて国内リーグ所属選手が半分を下回っていた。そして海外組は単に増加したのではなく例えば香川真司(マンチェスターU)や本田圭佑(ACミラン)、岡崎慎司(マインツ)、長谷部誠(ニュルンベルク)など、主力選手の多くが所属クラブでも実践経験を積む環境に身を置いていたのである。つまり2010年南アフリカワールドカップから始まったこの『日本代表の国際化』は、現在も脈々を受け継がれているものであり、前述の2018年ロシア大会では実に43.5%が欧州5大リーグに所属。そして『赤い悪魔』ベルギー代表を窮地に追い込む奮闘を演じてみせたのだ。

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 そして今回、2022年カタール大会では、ほぼ4分の3の選手が海外組となっており、またちょうど半数が欧州5大リーグに所属。これはオランダ代表(42%)、ガーナ代表(50%)、前回ワールドカップ準優勝のクロアチア代表(58%)に匹敵するものであり、ワールドカップ出場32ヵ国全体でみてもちょうど16番目の多さである。加えてチームのレギュラーとして定着している選手が少なくない、とりわけ鎌田大地(フランクフルト)、堂安律(フライブルク)、遠藤航や伊藤洋輝(シュトゥットガルト)のようにブンデスリーガが顕著であり、逆にコスタリカ代表に目を向けると、パリ・サンジェルマンで出場機会の得られていない、GKケーラー・ナバスしかいない。

 ちなみにドイツ代表とスペイン代表は、イングランド代表やフランス代表と同様に欧州5大リーグ所属選手率は100%。逆に少ないのはサウジアラビア代表とカタール代表で国内組のみで構成。日本代表の選手たちはトップレベルのサッカー界に足を踏み入れ、そこでの地位を確立し、さらにはその足跡を残してすでに久しい歴史を歩んでいる。これからいったいどのような道が続くのか。それは大いに注目に値するものであり、また今回のグループリーグ突破への争いに確実に加わってくる相手である。

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