2023/03/30

FIFAから来季の移籍禁止処分のケルン、すでにCASに提訴の構え

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 1.FCケルンに激震が走った。FIFAから今後2度の移籍市場において、つまりは来シーズンいっぱいの移籍活動の禁止を言い渡したのである。これは2022年初めにケルンが当時16歳のスロベニア人FW、ジャカ・ツーバーを扇動して契約違反に導いた疑いが持たれており、結果的にオリンピア・リュブリャナとの契約解消直後にケルンのユースに移籍し、多額の移籍金の支払いを回避したと言われているところだ。

 なおここまでAユース13試合に出場して13得点をあげてきたツーバーは4ヶ月間の出場停止と5万1750ユーロの損害賠償の支払いが命じられ、またその支払いの共同責任をもつケルンについてはキッカーがFIFAに確認したところによれば、これから2度の移籍市場では国内外とわずいかなる新規登録も許可されないとのこと。

 ただしケルン側には唯一、まだこれを回避する方法として国際スポーツ仲裁裁判所(CAS)の手段が残されており、こちらに上訴する考えをすでに示した。ちなみにチェルシーは2019年2月に未成年者との契約規定に関する、合計29の違反によって1年間の移籍禁止処分や言い渡されたが、ただCASへの訴えによって1回分へと半減することに成功。それ以外にもマンチェスター・シティやレアル、アトレティコなどもCASで成果を上げている。

パカラダの動向は?

 これにより突如として先行きが不透明になってしまったのが、ブンデス2部FCザンクトパウリに所属する、レアルト・パカラダだ。今年の1月23日にケルンはコソボ代表経験もある28歳の左ウィングを、2026年夏までの契約で獲得することを発表しているが、今回の処分発表によって移籍成立の可能性は低くなった。

ケラー氏「どうしろというのだ」

 ケラーSDは「我々としてはできるだけ早く控訴し、罰則の停止に取り組んでいく」と語っており、「我々の見方ではFIFAは何の根拠もなくまったく不条理な判断を下した」と指摘。さらに昨年8月にはリュブリャナとの円満解決に向けた良い話し合いができていたことも強調しており、むしろリュブリャナにとっては「今回よりもはるかに良い内容を提示していたんだ。にも関わらず、彼らはそれを拒否して今回の訴えにでた」と疑問。そしてFIFAからの手続きでは口頭審理もなく2度の弁論と数ヶ月の評決だったことに「そもそもやってもいないことを、証明しろということなんてどうやってやれというのだね」と言葉を続けている。

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