2023/04/04

来季の移籍活動禁止処分のケルン、2人の専門家が見る異議申し立ての勝算は?

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 先日1.FCケルンではFIFAより、来シーズンいっぱいの移籍活動を禁止する処分が言い渡された。FIFAは2022年1月31日に17歳ジャカ・チューバーポトツニクの母が、プロチームでの練習参加など契約条件に関する不履行を理由に解消し、その後にケルン入りとなったためであり、今回の件には直接関与はしていないが、FIFAで紛争解決委員会の副委員長も務めるなど状況に精通したトーマス・グリム弁護士によれば、ここでの大きな問題はFIFAの移籍規約17.4条「正当な理由なく契約を解消した選手と契約した場合、その新たなクラブは特に論拠を示せない場合に契約違反を煽ったとみなす」という部分だと説明する。「だから今回のように争いが起こると証明しなくてはならないリスクを負うことになる。FIFAの指摘はその反証がなされていないということ。ケルンには理由をより詳細に説明する必要があったと思いますね」

 なおすでにケルン側は欧州スポーツ仲裁裁判所(CAS)に異議申し立てを行っており、今後1ヶ月以内にはなんらかの決断が下されることになるだろう。FIFAでは書面のみが評価されるがCASでは証人尋問も可能で、グリム氏はそこで「本当に良いアピールができ、信頼できる証人を提示すれば異なる判決が下される可能性は十分にある」と指摘。ちなみにケルン側は証人として同選手が所属していたオリンピア・リュブリャナのミラン・マンダリッチ元会長を指名した。昨夏にケルンと同クラブでは円満解決に向け話し合いが行われていたものの、最終的には頓挫したという経緯がある。ただドイツサッカー代理人協会DFVVの専務理事を務め、現在はFIFAの代理人諮問グループの一員であるグレゴール・ライター弁護士の見方は「個人的にはちょっと厳しいように思いますね。減刑となるかは未知数」とのこと。それでも「CASがひとまず禁止処分停止の暫定申請を承認する可能性はある」ともしており、つまりそれならば少なくとも今度の夏の移籍活動は可能ということになるはずだ。

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