2023/04/27
苦楽を共にした21年、元守護神ホルンがケルン退団。主将へクターに続く打撃

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ティモ・ホルンがこの夏をもって1.FCケルンを退団することが明らかとなった。チーム最古参として21年間にわたり在籍してきた29歳のGKは、「たぶん皆さんも想像していると思うけど、このクラブを後にすることはとにかく自分にとって難しい決断だった。物心ついたときからこのクラブのファンで、サッカーを始めてからずっとケルン一筋。2012年にデビューしてから、ずうっとここにいたんだから」とクラブの声明の中でコメント。だが昨季の負傷をきっかけにその立ち位置は激変、マルヴィン・シュヴェーべに先発の座を譲り、再びその座を奪い返すことが果たせなかったという背景もある。
「定位置争いはサッカーにおいて避けて通れないもの。バックアップという役割は僕にとっては新しい経験で、それでも常に全力でこのことを受け入れながら、再びクラブとともにヨーロッパの舞台に立てるように努力してきた。このクラブの一員であること、そしてここで達成できたことは、僕にとって大きな誇りとなっている。でも毎週ピッチに立ってチームの助けとなりたいというのが、僕自身が掲げている目標でもあるんだ。ここでの全ての経験、全力でサポートしてくれた皆様に、僕はとても感謝している。もちろんどこに移籍しても、僕がこれからもこのクラブのファンであり続けることに変わりはないよ」とホルン。
2002年にSCロンドルフから1.FCケルンに移籍し、9歳からガイスボックハイムにて全てのユースチームを駆け上がってきた同選手は、同時にドイツユース代表としてU15からU21レベルまで継続してプレー。23歳の時にリオ五輪代表メンバーの一員として6試合すべてに出場して、銀メダル獲得に貢献。またケルンでは通算329試合に出場するなど「トニ・シューマッハ氏やボド・イルグナー氏に次ぐ」成績に、ケラー強化担当も改めて称賛。「これほどのことを成し遂げるには、ただ才能をもつだけではできない。ここで有望な若手から成熟されたブンデスリーガのGKへと成長し、ピッチの内外に渡ってチームにとっての重要な選手となっていったのだ」と評した。
とくにホルンは2017/18シーズンに2部降格の危機に瀕していたその最中に、降格に関わらずその契約を例外条項なしで更新することを発表。最終的にはそのまま降格を喫することになるのだが、翌年には見事ホルンはチームと共に1年でブンデスリーガ返り咲きを果たすことに成功。これまでの在籍21年というの数字はクラブ史上最長在籍記録であり、そのなかでブンデス通算201試合、ブンデス2部98試合、ドイツ杯22試合、EL6試合でプレーしてきた功労者に対して、ケラー強化担当は「出場機会を求めるという気持ちもまた理解できるものだ」とエールをおくっている。
ただしケルンでは現時点ではFIFAからの制裁により来季の選手獲得は禁止状態。異議申し立てを行いその結果を待つことになるとはいえそれでも、中盤の要エリス・スキリの今夏での退団の可能性も囁かれるなかで、先日発表された元ドイツ代表DFヨナス・ヘクターと共に今回のホルンの退団は、ケルンの顔というだけでなく戦力面でみても、非常に大きなインパクトを与えるものとなることは確かだ。