2023/09/06
スペインのキス騒動:W杯優勝直後のビルダ監督が解任

©︎IMAGO/Photo News
世界の頂点に立った、その直後に解雇通告?そんなことがスペインサッカー連盟より、ホルヘ・ビルダ監督へと告げられた。シドニーで行われたワールドカップ決勝でイングランド代表を破り、同国女子代表史上初となる優勝に導いた42歳だったのだが、「ホルヘ・ビルダ氏のスポーツディレクター兼女子代表チームコーチの職務を解く」ことが発表されたのである。同氏は2015年にイグナシオ・ケレダの後任として、これまで8年間の監督生活で公式戦108試合を指揮し、75勝16分け17敗という成績を残していた。
そしてそのキャリアのピークとなった今回の決勝戦の後、スペインで大きな物議を醸している、いわゆるルイス・ルビアレス会長によるキス騒動において、8月末に行われた同会長のスピーチで拍手。ルビアレス会長からは年俸50万ユーロでの契約延長オファーを打診されていたが、しかしながらFIFAから懲戒手続きを受け90日間の資格停止処分にある中、スペインサッカー連盟のペドロ・ロシャ氏率いる理事会は今回の決断へと至った。「スペインの女子サッカー界において重要な役割を果たしてくれた」という花向けの言葉も慰めにさえならないだろう。
それ以前にスペインサッカー連盟では、ルビアレス連盟会長の行動を「まったく容認できない」とし、「サッカー界に対して」謝罪。「連盟のガバナンスを改善し、引き起こされてしまった問題を可能な限り修復していくために対応策を講じていく」としていたのだ。おそらくそれは今回の、W杯優勝を果たしながらも敢行した解任通告も含まれていることだろう。そもそも1年前から同監督と彼のコーチ陣と15人もの選手たちの不和がエスカレートしており、3人がストライキを敢行。しかし連盟は断固としてビルダ監督を支持していたのだが、しかし現在はキス騒動以来コーチ陣のほぼ全てが既に辞任を発表する流れとなっている。