2023/09/07

スペインのキス騒動:エルモソ選手がルビアレス連盟会長を告訴

©︎IMAGO/Sports Press Photo

 AFP通信社は水曜日に、ジェニファー・エルモソ選手による刑事告訴状が、担当する検察庁へと届いたことを報じた。さらに司法当局のスポークスマンがドイツ通信社に明かしたところによれば、同選手は検察庁にて証言し、その後ルイス・ルビアレス連盟会長を訴えたという。すでに8月末より性的暴行の疑いで予備捜査の開始を発表していた検察庁は、選手側に性的暴行の被害者としての可能性と権利、必要に応じて申し立てを行えることを伝えており、それが今回実際に行われた流れ。なおそれを受けて検察側は「できる限り早く」刑事訴追を開始する考えを示した。

 先日にオーストラリア・シドニーで行われた女子ワールドカップ決勝では、イングランド代表を下してスペイン女子サッカー史上初となる優勝に輝くも、そのメダル授与式でスペインのルビアレス連盟会長がおもむろにエルモソ選手にキス。これを受け主催者側であるFIFAは懲戒手続きを開始しており、また場所が国外であったことから国の検察庁が動くことに。もしも性的暴行で起訴されれば、1年から4年の実刑判決を受ける可能性もあるという。さらにスペイン政府としても事態を重くみて資格停止処分としたかったものの、スペインのスポーツ裁判所はこれに同意せず、あくまで重大な不正行為も対してのみを理由にスポーツ関係者に対して訴訟を起こすことを決定。

 キス騒動直後に連盟を通してルビアレス会長を擁護するエルモソ選手の発言を行ったエルモソ選手は、「キスに同意したことなどない」と断固として否定。女子代表もストライキを発表するなど対応に追われた連盟だが、その後の臨時総会にてルビアレス会長は壇上に上がり改めて辞任を否定。「誤ったフェミニズム」被害者の立場を強調し、そこでは女子代表ビルダ監督が拍手を送る姿も見受けられたものの、資格停止からあとを受けたロシャ連盟暫定会長は連盟として改めて謝罪。さらにそのビルダ監督をW杯優勝直後にも関わらず異例の解任を行うなど、「対応を行なっていく」考えを示している。

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