2023/10/30

ヴィニシウス、エル・クラシコでも人種差別を浴びせられる

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 週末に行われたFCバルセロナとレアル・マドリードによるエル・クラシコでは、主役を演じたのはやはりレアル・マドリードで大きな飛躍を見せる若武者、ジュード・ベリンガムだった。まさにラ・リーガで巻き起こしているその旋風を、この日もゴールという形で続け10試合で10得点目を記録。特に同点弾となった後半68分での、20メートル以上離れた距離からのゴール右上隅に沈めたシュートは、まさに圧巻の一言に尽きる見事なものとなっている。

 ベリンガムは「最近はPAの外からもトライしないと言っていたし、相手は僕が中に侵入するかチームメイトとの連携をはかるかも考えるわけだらね」と説明。「絶好調というわけではないので、何か特別なことを時々するより、とにかく攻撃とうまく組み合わせていくプレーを続けることが大事だと思っているんだ。それが今日はできたと思うよ」と述べており、アンチェロッティ監督は「驚いたね。彼のレベルと影響力にはただただ驚かされるよ。今日は距離という点でも驚きのゴールで我々を牽引してくれた」と賛辞を送った。

ギュンドアン「もっと悔しさを!」

 その敗戦後に、バルセロナのイルカイ・ギュンドアンは、むしろチームに檄を飛ばして、さらなる奮起を求めているところ。この日の開始6分に幸先よく先制点を決めたドイツ代表MFは、後半から一気に調子をあげベリンガムの2得点で逆転負けを喫した後に、「率直に、でも大袈裟でなく言っておきたいのだけど、変に誤解はしないでほしい。ロッカールームから出てくる皆は当然がっかりしているわけだけど、でも本来ならばこれだけの試合の後ならばもっと怒り、失望というものを見たい。それが今回の問題の一部のように思う」と指摘。

 「もっとやれたはず、という気持ちで敗戦を迎えたのであれば、もっと感情的にならないと。でもあくまでピッチで答えを出すという意味でね」と述べ、「ベテラン選手として、僕はリーダーシップを発揮すべく、チームにこういうことが起こらないようにする責務があるんだ。このチームには抵抗力が求められている」と持論を展開している。

クラシコでもヴィニシウスに人種差別行為

 ただ逆に人いったいはどこまで、耐え続けなくてはならないものなのだろうか?この疑問に向き合っているのが、レアルのヴィニシウス・ジュニオールだ。週末に行われたFCバルセロナとの後半ロスタイム6分、選手交代が告げられたヴィニシウスに対して観客席からは侮辱的な言葉が浴びせられ、さらにバナナの形を彷彿とさせる黄色い物体も投げ込まれた。セビージャ戦では猿の動きを真似したサポーターがスタジアム出禁処分となったのは、さほど昔の話ではない。これまでにも幾度となく人種差別行為を受けてきた、

 それに挑発するように23歳のブラジル代表は今回、時間をかけてピッチを後にしようとしたため、主審から注意を受けてアンチェロッティ監督からは腕を掴み同選手を連れ出されることに。試合後、指揮官は「彼を守るためのものだった」と説明。一方で試合後には調査を開始するとしていたバルセロナ側につづいて、ラ・リーガでは既に今回の件に関して関連証拠を集めていることを明らかにした。

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