2022/10/04

イラン問題:アズムンら勇気ある人々に、サッカー界からも理解とサポートを

©️imago images (2)

 かつてモハメド・アリは、後世にその偉大さを残す大きな決断、そして行動を示して見せた。それは決してボクサーとしてみせた伝説的なファイトについて挙げているのではない。ベトナム戦争で銃を持ち撃つことよりも、米軍に対して勇敢に「ノー!」を突きつけた英雄。その後にボクシング界における地位の剥奪など追放処分を受けながら、1971年に最高裁からその正当性が認められ、リングに復帰し更に2度の世界タイトル獲得に成功。

 いまや世界的なヒーローとなったそのモハメド・アリでさえ、その市民として当然のこととして示したその勇気の代償は、それでも避けることはできなかった。そしてイランでも殺害されたイラン人女性への連帯を示すことで、数多くの市民が尊い生命を落としている。地元メディアの報道によれば日曜夕方、エリート校であるシャリフ大学で治安部隊が学生に対して暴力、教授も殴打されていたという。

 このようにもはや手段を選ばないイラン政府に対し、イラン人サッカー選手たちが示した反応は、より重要性が高まるものであると同時に、いかに彼らが自ら、そして身内の生命の危険を晒す形で、この勇気ある行動をとっているかを、私たちは理解すべきだ。レヴァークーゼンに所属するサルダル・アズムンが公然と非難を表明したことで、彼は同時に非人道的な政権の標的と化してしまったのである。

 こういった流れからも、カタール・ワールドカップにおけるイラン代表の参加取り消しを要求する声は、一見すると理解できるものかもしれない。だがこれは逆効果をもたらす可能性もある。例えばセネガル代表との国際マッチにおいて国家が演奏される際、イランのサッカー選手たちはユニホームの上に黒い上着を着て、国旗をあしらった代表のバッジを隠し、あえて戦う意思を示したのだ。

 つまりワールドカップのような大舞台は、彼らが世界にこの問題を訴え、そして提起するための貴重な機会でもあり、仮に出場を取り消すならば逆にイラン政府にとっては、それを避ける手助けにもなりかねないということ。

 テヘランにいるkickerの特派員さえ、ここ何日も連絡が取れてないという、この異常事態においてはっきりとしていることは、私たちは数多くの勇気あるイラン人たちが戦っているということ、そして支援や保護、あらゆるサポートを求めているということを、理解しなくてはならないことである。

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