2023/03/13
ドイツ代表フリック監督、しばらくミュラー不在を明言。「若手にチャンスを」

©︎Sportfoto Zink / Wolfgang Zink
ドイツ代表がワールドカップグループステージで再び敗退を喫してから、3ヶ月の月日が経過した。ドイツ・ニュルンベルクにあるkicker本社を訪れたドイツ代表ハンジ・フリック監督は、そのインタビューで改めて今大会におけるチームの不振追求に「集中的に、自分たちに厳しく分析」するため3ヶ月を費やしたことを強調している。それは決定力不足や不安定なディフェンスといった競技面、そしてワンラブ腕章問題をめぐるピッチ外の問題も要因として考えており、ただそれを言い訳にするつもりはないが「総じて見て我々は早期敗退に相応しかったということ。それは競技面での理由によるものだが、ただ本来W杯を満喫すべき選手たちに外的要因が影響を及ぼしていたことも否めない事実だ」と説明した。
そして2024年に自国で開催されるユーロ2024に向けて、導き出された結論とは「将来に向けどのような問題が想定しうるか、それらに自分たち自身でしっかり答えを出していかなくてはならないということだ。それをチームに及ぼしても良いものかどうか」ということであり、「オマーンに出発するときに私は、あくまで今回はサッカーが中心であると強調していたにもかかわらず、その後に起こってしまったことはあんまりだったよ」と振り返っている。そのため今回は「情熱とポジティブなメンタリティ」によって再びドイツ国民の心を取り戻すことがテーマであり、「最も重要なのは気迫のこもった良いサッカーをみせること。我々がドイツのために全てを捧げる姿勢をファンにみせられれば、きっとこの雰囲気は変わるはずだ」と語った。
そこで期待がかかるのはやはりフレッシュな力、例えばジャマル・ムシアラやフロリアン・ヴィルツといった、将来のスター候補生たちだろう。「彼らがボールをもつと、スタジアムにはざわめきが起こるしね」と指揮官。来年のユーロの舞台では主力としてチームを牽引する存在となるべく期待されており、逆に大ベテランのトーマス・ミュラーに関してはしばらくの間、代表からのお呼びがかかることはないようだ。「これはトーマスに話していることだが、まず2度の代表戦期間は若い選手にチャンスを与えたい。だからといって彼がユーロの候補から外れるという意味ではないよ」と説明。例えば「素晴らしいサッカー選手で内省的な成熟している」カイ・ハヴェルツらに「代表でも次のステップに踏み出せるよう責任を負うことが我々の使命だ」との考えを示す。今年最初の試合は3月25日にマインツで行われるペルー代表戦。そして3月28日にはケルンでベルギー代表との腕試しが控えており、6月にも3試合が予定されており、つまりここまではトーマス・ミュラーは不在ということだ。
それでは大ベテランで、今冬に足に大怪我を負ったマヌエル・ノイアーについてはどうか?フリック監督はノイアーが、かつての力を「100%」取り戻すと信じて疑っておらず、ただ同時にマーク=アンドレ・テル=シュテーゲンがただの噛ませ犬ではないことも併せて強調。「あくまでパフォーマンスを重視して判断していく。そのことに変わりはないし、今のところは完全に白紙の状態だ。それはマヌエルも知っていることだよ」と述べた。一方で今回のワールドカップ後には、長年にわたってドイツ代表のマネージャーを務めてきた、自身とも良好な関係にあったオリヴァー・ビアホフ氏が退任。その後をルディ・フェラー氏が来年のユーロまでサポートすることになっており、「彼は経験豊富で、どこでテコ入れをはかるべきかを知っている人物。彼との交流は楽しいし、私たちは波長が合うと思うね」との印象を語っている。