2023/11/15

生まれながらの監督気質、シャビ・アロンソ監督がみせる手腕

©️IMAGO/Team 2

 ボルシア・ドルトムントでも、RBライプツィヒでもなく、12連覇を目指す絶対王者バイエルンに対して、ブンデスリーガ史上に残るハイペースで勝ち点を積み上げ対抗しているのは、バイヤー・レヴァークーゼンだ。そこで大きく貢献している人物こそ他ならないバイエルンの元選手、シャビ・アロンソ監督。その手腕は今夏にアーセナルから加入した、同じMFを主戦場とするグラニート・シャカにも感銘を与えるもので、昨季に王者マンチェスター・シティに対抗してみせたミケル・アルテタ監督と比較して「二人とも似ていると思うね。他の監督とは違う見方をしているんだ」とコメント。

  実は2人はともにレアル・ソシエダでユースを過ごした間柄であり、それ以前に過ごしたアンティグオコで、当時10歳か11歳のあたりで指導したイニゴ・サンティン氏は、「早い段階ではまだそこまで偉大なプレーヤーになるとは思われてなかったね。ただ当時から彼は優れたポジションプレーをしていて、常に正しい場所で自然体でプレーしていた。精神面での成熟は非常に早く、ただフィジカルではまだそこまでではなかったので戦術家として、少し遅れて頭角を表していくことになります」と回顧した。

 また当時レアル・マドリードでユースコーディネーターだった、のちの代表監督ビセンテ・デル・ボスケ氏もシャビ・アロンソに感銘を受けていたようで、「あのころ我々の間で話していたのは、シャビは常に相手のことを知りたいと思っている、ということだった。当時から針の穴を通すようなパスを展開できる資質をみせていたんだ」とサンティン氏。現在レヴァークーゼンでみせている監督としても質も非常に高く「分析し、知ったことを実践する、活用することが重要で、彼はまさに戦術家であることを証明していた」と振り返る。

ウニオン戦ではディフェンダー3人が得点

 そのアロンソ監督の元で飛躍をみせているのが、3人のディフェンダーだ。特に週末のウニオン戦ではこの3人のディフェンダーたちが揃って得点。アロンソ監督就任からトップパフォーマーに飛躍したオディロン・コスヌは、改めて監督の手腕について「たくさんのエネルギーを与えてくれる、常に自分達が目を見開いていないとと思わせてくれる人物だ」と評価。ターもそれを実感しており「過密日程にもかかわらず、僕たちは試合に集中して戦う、そのメンタル面での準備ができていた」と手応えを口にした。

グリマルド「レアルは誰でも行きたい場所」

 そしてなにより今季ここまで公式戦通算8得点7アシストをマークし、28歳にしてスペイン代表初招集を受けたアレハンドロ・グリマルドの飛躍は目を見張るものがある。だからこそ「レアルは世界最高のクラブの1つで誰でも行きたいクラブ」とOKDiarioポータルでの発言はいまや注目度の高いものであり、加えてレアルといえばアロンソ監督の来夏就任の噂もあるが「現時点で僕はレバークーゼン。ここでの3ヶ月はとても順調でこれからもがんばっていかないと。将来的には母国でプレーしたいけどね。今はレバークーゼンでとても満足だよ。きたばかりだからこれからもっと楽しみたい」とも語った。

アロンソ監督「相手に息をつかせるサッカーに好印象」

 実際にここまではレバークーゼンがみせるポゼッションサッカーは大いに楽しめるもので、他クラブも策を講じてはくるものの複雑な展開から、結果的にレバークーゼンにミスをつけこまれる形が続く。「テンポをとにかく上げていって、相手に息をつかせぬようプレッシャーをかけていきながら、回復の機会を与えないようにできている。それについては好印象だ」とアロンソ監督。つまり「ポゼッション、プレー、メンタリティに関する手応え」を感じてはいるが、自らの持久力という点では「5月がどうなっているかなどわからない。まだ試合は多く残されているし、いろんな可能性がある。昨季は後半で失速して期待に応えられなかったのだよ。そんな遠い先はみない。8試合後にどうなっているかには焦点はあてているがね。そこである程度方向もみえてくるさ」と振り返る。「だから気を抜くわけにはいかない」

アロンソ監督「代表戦から無事に皆が戻ってきてほしい」

 とくにこれから迎える代表戦から、選手たちがどのようなコンディションで戻ってくるか。特に指揮官はグラニート・シャカについて心配しているところ。ピッチの内外でリーダーシップを発揮するプレーメイカーは、今季のレバークーゼンの飛躍を中盤で支える重要な存在となっている一方、今回の代表戦に加えてリーグ戦、CL、国内カップ戦と休みなしの状態がつづいてきた。「特にシャカにとって難しいと思うし、全ての選手に無事戻ってきてくれることを願う。それは全ての大会で我々がいい役回りを演じるには非常に重要なことなんだ。」

 ただシャカ自身は「イングランドではほぼ7年休みはなかったし、少し慣れているかな。ここでとても快適に過ごせているし体調の良さも感じている。代表やクラブでの3大会があることはどうしようもないことで、他の選手もそれでやっているし、試合ごとに考えてそれぞれの試合でそれぞれに合った準備を適宜すすめていくことだ」とコメント。「スイス代表として13年間やってきた。とても誇らしく常に参加している」と言葉を続けた。

シャカ「バイエルンはみていない」

 またこれまでのキャリアで「浮き沈み」を経験してきたシャカは、ブンデスリーガタイ記録となる開幕11試合で勝ち点31確保にも「11試合でタイトルを確保したクラブはどこにもない。地に足をつけ努力を続けること。ウニオン戦でも特に重圧があったわけではなく、僕らは皆とても落ち着いてるよ。自分のことだけをみているから。バイエルンではなくね。優勝争いはそこだけでやるものではなくリーグ全体。自分達が勝てるなら他に目を向ける必要などないし、今の取り組みを続けていけば軌道から外れることはないだろう」と説明。「リーグ優勝なんて雰囲気なんてないし、ただ来季こそCLの舞台に立ちたいからトップ4には入りたいよね。最終的にそれ以上の結果ならそれはそれで構わないさ」と意気込みをみせた。

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