2019/10/17
コウチーニョとハメス、バイエルンにもたらされる違いとは?
共にエレガントさを持ち合わせた南米出身の、一人はブラジル人、そしてもう一人はコロンビア人のサッカー選手。両選手ともにトップ下での司令塔となることを好むものの、プレースタイルについては異なるものがある。この夏にバイエルン・ミュンヘンへとハメス入れ替わり加入したフィリッペ・コウチーニョがもたらしている変化について、改めてチェックしていこう。
今冬に行われたカタールでのトレーニングキャンプでは、外側側副じん帯の部分断裂からのブランクを感じさせない精力的な動きをみせ、フラットな、シャープなボールを供給し、時に華麗なループシュートを決めるなど好印象を残していたハメス。
実際に体調さえよければ、チームに対して創造性をもたらし活性化へと導いいていた。その結果は数字としても現れており、後半戦のでのkicker採点平均は2.44。しかしながらコヴァチ監督を満足させるには至らず、むしろ後半戦ではトーマス・ミュラーの後塵を拝する格好となってしまった。
特にCLリヴァプール戦では、ミュラーの出場停止により2試合で機会を得たが、深い位置でカウンターを待ち続ける消極的なプレースタイル向けの選手ではない。むしろハメスは、前線で勇気をもってプレーしていく、そこで輝きを解き放つ選手である。結果的にバイエルンは買取オプションを行使することなく、2年間のレンタルを経てハメスはレンタル元のレアルへと戻っていった。
その穴埋めとして加入したのが同じトップ下で、買取オプション付きのレンタルで、FCバルセロナから加入したフィリッペ・コウチーニョである。練習初日からその柔らかなボールタッチと正確なパスなどを示していた27才は、すでにそれをブンデスリーガでの戦いで披露。
確かにパス成功率ではハメスの87%より低い81%ではあり、平均タッチ数はハメスの90に比べ71と積極的にハメスがボールをもらいにいっていたが、ただコウチーニョはよりリスクをかけて仕掛けていく傾向がある。
また守備面では、両選手ともにスピードがあり、同程度の走行距離をみせているところだが、ただコウチーニョの方が対人戦勝率65%(ハメス48%)を記録、さらに93分に1本の割合いでパスカットをするのに対して、ハメスは1本止めるのに223分間を要していた。
攻撃面でコウチーニョは、PA内もしくは周辺などでゴールに向かっていく点取り屋であり、素早い、ショートパスで狭いスペースで仕掛けていく場面が多く見受けられる。先発出場した4試合では2得点3アシスト、アシストにつながったパスは1つ記録(kicker採点平均3.3)。一方でハメスは後半戦で先発出場した8試合で4得点3アシスト、アシストにつながったパスは7つを記録。コウチーニョと比較して、ハメスはウィングへとよく位置どりをみせた。
両選手ともに考え方としては似ているところがある、相手陣内で創造性を発揮することを好むテクニシャンだ。ただコヴァチ監督の対応としては異なるところがあり、コウチーニョの適正を考慮して指揮官は敢えて、システムを自身が好む4−3−3システムから、4−2−3−1へと変更。果たしてこれから残り8ヶ月で、いったいコウチーニョに対してどういった判断が下されることになるのだろうか?ハメスと同じ道を歩むのか?それとも・・・?