2022/7/16

冷静に受け止められる、レヴァンドフスキの退団劇


 ロベルト・レヴァンドフスキは間違いなく、ブンデスリーガ59年のレン騎士の中で最も偉大な選手の一人として数えられる選手だ。2010年にポーランド1部フレ・ポズナンから無名同然でボルシア・ドルトムントに加入した若者は、2014年にバイエルンに移籍して以来312得点をマーク。彼以上に得点を量産したのはゲルト・ミュラー氏ただ1人であり、1シーズン40得点というミュラー氏の記録を突破したことをはじめ、2年連続でFIFA年間最優秀選手賞とゴールデンシューを受賞するなど、数々のタイトルと共に偉大な功績として後世にまで語り継がれていくことだろう。とりわけヴォルフスブルク戦で見せた9分間での5得点、最後のオーバーヘッドは直接目にした人々にとって一生忘れられない光景だ。ただ数字だけで人々の感動を呼び起こすことができないのも、また然りである。
 バイエルンファンたちは最後までレヴァンドフスキに対する敬意を忘れることはなかったし、彼が得点を重ねるたびに大きな歓声で応え続けていたが、それでもレヴァンドフスキにはフランク・リベリ、バスティアン・シュヴァインシュタイガー、アリエン・ロッベンほどの愛着までは感じてもいなかった。ポーランド代表主将の得点後の振る舞いはあまりにクールな、プロフェッショナルなものであり、それが現代的なもので無論悪いことなどではないのだが、ただことファンの心を燃え上がらせることにつながるわけでもない。確かにレヴァンドフスキはレジェンドとして、クラブを後にする。しかし移籍騒動もあって、ファンたちの心から感慨深さは失われた。しかも長年レアル・マドリードが自身の夢と語っていたにもかかわらず、あっさりバルセロナに引き寄せられていたのである。加えてが膨大な負債を抱えるクラブが見せつけた、ファイナンシャルフェアプレーの無力さも痛感させる形で。
 ただバイエルンにとっては34歳を迎える契約最終年度前のFWを移籍金4500万ユーロ(成果に応じて5000万ユーロ)で売却できたこと、そしてナーゲルスマン監督が2年目でより独自色を打ち出すためのチャンスという点でも、これを契機にさらなる強化に繋げられるかもしれない。確かにレヴァンドフスキの穴はあまりに大きく皆の力でカバーしなくてはならないものだが、過去にも数々のレジェンドたちの引退を経てもなおその強さを保ち続けてきた歴史があり、それに何よりもクラブよりも大切な選手は決して存在してはいけないものなのだ。
 

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