2023/01/20

バイエルンのゾマー獲得で、得をした人と損をした人

 突然のシーズン全休が明らかとなったバイエルン・ミュンヘンの守護神マヌエル・ノイアー。その穴埋めに終われたクラブ首脳員にとって、ヤン・ゾマーはまさに切望した解決策であったといえるだろう。だが今回の移籍によってメリットを手にしたのは何もバイエルンだけではない。今回の移籍は全ての関係者にとってメリットをもたらすものとなった。

 まずはヤン・ゾマー自身から見ていこう。ボルシア・メンヒェングラードバッハで8年半に渡りゴール前に立ちはだかってきた34才のゴールキーパーは、加入以前に所属したFCバーゼルではタイトル獲得を果たしていたものの、グラードバッハ加入以降はそれに遠ざかっており、今回は後半戦より突如として、ブンデスリーガのみならずドイツ杯、さらにはチャンピオンズリーグの優勝の可能性も手にしたことになる。2月と3月に控えるCLパリSG戦でゾマーにかかる期待値は大きい。

 無論その意味でもバイエルンにとっては、ゾマーは現時点における最適な解決策だった。ノイアーのシーズン途中での長期離脱という緊急事態で、どのクラブも先発GKを手放したくない時期に、ちょうど契約をこの夏いっぱいまでとしていたブンデスを熟知する、ドイツ語を話せて慣れに対する時間を必要としない、経験と実績が豊富なゴールキーパーを獲得することができたのだ。加えてビルドアップに積極的に参加するスタイルはバイエルン向きだ。気になる点は比較的小柄な体格がどういった影響を及ぼすかだが、それでもノイアーの回復経過がまだ見えない時期に、来季も含めて2人のトップGKを確保できたことは大きい。

 それではシーズン途中に長年チームを支えてきた絶対的守護神を失った、ボルシア・メンヒェングラードバッハの見方としてはどうか?そもそもゾマーとの契約期間は残り半年で延長交渉は難航しており、34才のベテランGKの退団を半年早めたことで800万ユーロの移籍金を手にした。それを元手に即座に後釜として同じスイス代表ヨナス・オムリンを獲得。こちらも29才と経験が豊富で、もしも期待に応える活躍をみせればいずれ迎えていたかもしれないゾマーの引き継ぎは無事完了ということになる。

 では今回のディールにおいて敗者は存在しないのか?そこまで厳しい言葉を向けるべきかは別にして、スウェン・ウルライヒにとっては改めて、バイエルンではあくまで2番手扱いであることが突きつけられた格好であり、選手自身もおそらくそれを受けれいているのだろう。またASモナコにレンタル中のアレクサンダー・ニューベルにとっては、今回の状況はますますバイエルンへの復帰への扉を閉ざすことになりそうだ。

 おそらく2020年にフリーでシャルケから獲得した同選手の売却を目指していくことだろう。復帰を目指しているノイアーへの重圧は?ブンデスにおいてゾマーはノイアーの長年のライバルであり、ノイアーであればむしろ復帰に向けて意気消沈するどころか更なる闘争心へと繋げるはずだ。

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