2023/01/30

年明けから未勝利続く、バイエルンが抱える不安材料一覧

©️IMAGO/MIS

 2023年度の出だしはバイエルン・ミュンヘン関係者にとって、あまりにも思い描いていたものとはかけ離れたものとなってしまった。初戦のRBライプツィヒ戦や数日後の1.FCケルン戦に続き、フランクフルト戦でも痛み分けを演じたのである。バイエルンの選手たちはいつになく、その苛立ちからテレビ、そしてクラブ公式においても、言葉数少なに話すほかない様子で、特にザルツブルクとのテストマッチを含めるならば、これで4試合連続ドローを演じてしまったのだから無理もない。

 サリハミジッチSDは「リーグ戦における重要性はしっかり認識している」と強調したものの、実際に全ての選手たちが本当に認識できているのだろうか。ニャブリやGK問題、相次いだ主力の離脱に関する話題は別として、そもそも姿勢の問題や、創造性の欠如、守備面の規律、選手起用など、むしろこれまで繰り返し叫ばれてきた、長年の問題が今も引き解消しきれないままとなっている。ただ今季立ち上がりでの不振を解消した指揮官は、kickerが得た情報によるとその時、選手1人1人のミスを細かく個別に指し示し、それには選手たち自信も驚きを覚えていたほどだったという。

 その経験からナーゲルスマン監督は今、何を選手たちが求めているかを既に知っているということだが、しかしながらここでの問題は当時、代表戦期間にあったために2週間の余裕があったが、今は過密日程にある上に次戦はドイツ杯16強。昨季に続く早期敗退は避けたいところであり、敵地マインツという厄介な戦いを乗り越えなくては、その後のCLパリ・サンジェルマン戦に臨むための勢いに翳りがでてくるだろう。カーン代表はむしろ、「チームに求められているのは争いと試合だ」と前向きにみるが、選手たちは乗り超えられる状態にあるのか?もはや個人レベルの話ではなく、バイエルンというクラブが抱える根本的に問題となっている。

バイエルンが抱え続ける問題一覧

【守備面での脆弱性】ザルツブルク戦は確かに合宿での疲れもあっただろう。ただそれでもカウンター誘発からあまりにも安易に4失点を重ねており、ケルンも幾度となく好機を手にしていたが、ゴールネットは揺らされずに済んだという背景がある。

【創造性の欠如】バイエルンでは個々におけるオフェンス力に関しては、確かに圧倒的なところがある。それでも前線におけるアクションに規則性が失われていることが多く、特にPA内へのクロスやパスにはまだまだ改善の余地が見受けられるところ。ナーゲルスマン監督も「レッドゾーン」におけるプレーについては「いつも誤った判断をする」と苦言を呈しており、いまのプレーには軽快さが見受けられない。

【決定力不足】とりわけミュラーとのコンビで得点を量産していたレヴァドフスキの不在は、終盤であってもなんとかしてくれる、という期待感を失わせてしまった。ただ前半戦ではミュラーの負傷で偶然にも代役を務めた、シュポ=モティングが予想外の活躍をみせる副産物に救われており、今冬もおそらく動きにでないバイエルンであってもナーゲルスマン監督としては、あくまでバイエルン本来の力を引き出すことでまるで違う結果を導き出せるはずである。

【中盤】キミヒとゴレツカのコンビについては、なかなか思うように事が運ばない。ゴレツカについては調子を落としているようにみえる一方、キミヒには貪欲さが見て取れるものの、もう少しリラックスさがあってもいいだろう。ただそんな中で若武者グラフェンベルフはアピールをみせており、来季からはライマーも加入。しかし苦境にあるサビッツァについては、このまま今夏退団の流れか。

【右SB】マズラウイの復帰時期が3月上旬から中旬とみられているため、引き続きパヴァールがしばらく右サイドバックで独壇場となる。つまりはチャンピオンズリーグ16強パリ・サンジェルマン戦はともに、パヴァールのみがオプションということだ。

【リーダーシップ】ノイアーは負傷離脱、副主将ミュラーは2試合続けてベンチスタート。今回は先発復帰し先制点をアシストしたが勝利には導けなかった。またキミヒは同点とされてしまうミスをおかしており、チームがうまくいかない時に鼓舞する存在が不足している。またミュラーも再びベンチが続くようならば、また別の問題がバイエルンに生まれてしまうかもしれない。

【カタールのスポーンサーシップ】W杯開催前ではバイエルンでは、さらなる協力にむけて右往左往しなくてはならない立場にあった。しかしワールドカップが終了しパワーバランスには明らかな変化が生まれているものの、一方でカタール側は将来に向けた継続を熟考しているところ。

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