2023/01/31
ジョアン・カンセロがマンCを後にし、バイエルンが迎え入れる理由

©️IMAGO/Sportimage
ちょうど1年前にマンチェスター・シティとの契約を2027年まで更新し、そして夏にはラヒーム・スターリングの移籍に伴い、お気に入りの背番号7も身につけるなど順風満帆にみえたジョアン・カンセロだったのだが、いったいなぜペップ・グアルディオラ監督はそんな選手を手放そうとしているのか?右サイドでは新進気鋭のリコ・ルイスか経験豊富なカイル・ウォーカー、左サイドではナタン・アケを好んで選択している。ミラー紙によれば指揮官と選手との間で諍いがあったとも報じており、ジョアン・カンセロ側もバイエルンで再起を図りたい考えを抱く。
一方でバイエルン側としてはどのような期待を抱いているのか。決して守備を中心には置かない古典的な右サイドバックとは離れたイメージ像の28才は、アンドレアス・ブレーメ氏が指摘するように「両サイドを活性化させてゲームを形作っていく」ことが特徴であり、中盤でもプレーすることが可能。今季も大半の試合で好パフォーマンスをみせており、特にCLでは堂々の4アシストをマーク中だ。ただバイエルンとしてはそれを活かすためにプレースタイルを変えていかなくてはならない。シティでは通常サイドバックはハーフフィールドから活動することが多く、うまくハマればバイエルンのオフェンスの起爆剤にもなりうるもの。
とりわけバイエルンの右SBではワールドカップのベンチ扱いという失意のままベンジャマン・パヴァールがドイツに戻っており、移籍希望の公言やバルサとの接触も封じられる中で、先日のフランクフルト戦ではバイエルンでも先発から外されていた。昨夏に獲得したノゼア・マズラウイはそのW杯でコロナ感染。心筋炎にまで発展し長期離脱。そのためパヴァールが望むセンターバックでのプレーの見通しはかなり低く、意欲が欠けてのことなのか今季のプレーにもピッチに刺激をもたらすには程遠い。ジョアン・カンセロは守備面に関しては諸手を挙げて称賛できるものではなく、それは3年半で警告29枚、退場2回という数字にもみてとれるが、ここで奮起して近年にみせているその力を維持することができれば、バイエルンとしてはワールドクラスの力を手に入れたことになるだろう。