2023/02/03

攻撃サッカーが功を奏し、バイエルンが新年初勝利

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 確かにバイエルン・ミュンヘンのユリアン・ナーゲルスマン監督にとっては、先発オーダーを変更しなくてはならない理由が数多く存在した。たとえそれがバイエルン関係者や長く在籍してきた選手たちの中に、あまり好意的には見られていない3バックであったとしても。ワールドカップ前には4バックで10連勝を飾っていたとしても。それでも指揮官が敢えて3バックを採用していたことは、最終的にはその判断は新年最初の勝利という形で報われている。最近はオフェンス時に中盤で1人が不足しているようだったからね」

 そう語るナーゲルスマン監督は、システムのみならず、選手のタイプとしても攻撃的なメンバーを並べた。中盤は底にキミヒ1人を配置。ムシアラとサネをCMFとして起用し、ミュラーはシュポ=モティングとともに前線の中央。左サイドにはコマンが投入。つまり見方によってはアタッカー6人。カンセロをディフェンダーとしてみれば5人という布陣に。おそらくこういった問題の答えは中間的なところにであり、いずれのシステムにしても対戦相手や配置、なにより自分たちの試合に対する考え方で、功を奏することもあればその逆もまた然りだ。

 今回はその判断は正しく、ミュラーの先発起用は正当化され、ムシアラとサネのインタープレーは好影響をもたらし、シュポ=モティングは改めて決定力を実証。先発から外れたデイヴィースも途中出場からヘディングでゴール。アピールをみせ、特にパリSG戦で欠かせない存在であることを示した。ただ最後に入ったニャブリについては辛い試合となったかもしれないが、ベンチスタートとなったゴレツカも含め、これほどの選手層の厚みは、タイトル獲得に向け嬉しい悲鳴以外なにものでもない。

ナーゲルスマン監督、ブレない気持ちの重要性を強調

 「システムについては議論が過ぎるを常に口にしている。あくまでピッチ以上のスペース分配の方法に過ぎんのだ。それがマインツ戦ではうまくいったということ。そしてその流れをヴォルフスブルク戦にも持ち込みたい」とナーゲルスマン監督。「とにかく次への勝利。選手たちも試合後のはロッカールームで、さらに勝とうと声をかけていた。皆が世界レベルの選手だが、それでも人間。勝たなくては無傷というわけにはいかない」と述べている。

 つまりは「バイエルンでは外から随分と、専門家やそうじゃない人も、誰もが考えをもちそれぞれのアドバイスがある」として、あくまで「自分たちの感覚」によって成功を手にすると自信を深めていく大切さを強調した。「問題はそれぞれの対戦によって、どれだけボールをもてているか、それはどのゾーンで?無駄なロスト削減や、カウンターを受けた時の対応、何が攻撃的で何が守備的かなど。いろんな要素によって左右されるものなのだよ」

カンセロ「シュポがよかった」

 そのブレない姿勢をみせたのが、新戦力のカンセロである。実は先制点でのアシストの場面では、本来パヴァールに戻すよう指示していたナーゲルスマン監督はだったが、そこでクロスを選択していたカンセロにについて、「怒らないよ」とコメント。改めて「よくやってくれたし期待通り。非常に優れた創造性の持ち主だよ」と付け加えている。

 ミュラーは「デビュー戦として上々のパフォーマンスだったよね」と賛辞をおくり、キミヒも「これから大いに楽しみだ」と期待。ただカンセロ自身は「でも得点者が立派だよ。クロスはよかったかもしれないが、シュポの方がよかった。そして勝利に貢献できてよかった」と謙虚な姿勢をみせた。

グアルディオラ監督からエール

 一方でマンチェスター・シティのグアルディオラ監督は、カンセロ放出という手段に出た理由について、「W杯の後のプレーの構成を少し変化させ、他の選手により多くのプレータイムが与えられるようになった。そして実際にピッチで目にしたものに好印象を受けていたんだ」と説明。そこで対応できずに犠牲となってしまったカンセロについて「それぞれに個性があるものだから」と擁護。

 そして「ただ彼はとにかくプレーしたかった。どの試合でも。それがミュンヘンで実現するよう願っている」と心情を察しており、同時期に変化を求めたバイエルンが求めた選手像と逆にカンセロがマッチしていたということだろう。そしてマンチェスター・シティではその穴埋めの必要性がないと強調し、カンセロには「今後の健闘を祈る」とエールを送った。

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