2023/02/07
ピッチ外で騒動続くバイエルン、ピッチ上でも問題点を露呈

©️IMAGO/Revierfoto
マヌエル・ノイアー、タパロヴィッチGKコーチ、そしてセルゲ・ニャブリなど、ここのところはピッチ外の話題で事欠かない、バイエルン・ミュンヘン。その一方で年明けから3試合連続未勝利が続いていたものの、ドイツ杯16強、そして週末のリーグ戦と、最近2試合でともに2連勝を果たすことに成功している。
しかしながらだからといって、ピッチ上では問題がないかといえば、そう言い切れるものではない。例えば週末のヴォルフスブルク戦における勝利だけをとってみても、スコア的には4得点と快勝で、さらに序盤のうちに3−0とし、後半では数的不利のなかで手にした結果をいえば、聞こえはいいものなのかもしれない。だが実際に試合の内容をみてみた時には、決してそれに見あったものとはいえないはずだ。
xG値(予想ゴール)ではヴォルフスブルクは0.54に対して2.63を記録。バイエルンがより効率よく点を決めたとも評価できるが、逆にこれほど決定機を与えていたということ。むしろナーゲルスマン監督としては4失点以上許しても文句はいえず、これから迎えるパリ・サンジェルマンなどを相手にしたときには致命的なだといえるだろう。
この試合ではバイエルン側にスペースが目立ち、デイヴィースのような明らかなパスミスも見受けられ、さらにジョシュア・キミヒは不必要な退場処分を招いてしまった。数的不利のバイエルンはあまりに深く構えすぎ、制御不能に陥ることも。確かに言い訳はできても不必要であることに代わりはなく、トップチームとしてはあるまじき失態である。
ただこのような展開にしてしまった責任の一端は、ナーゲスルマン監督にもあるだろう。キミヒ退場後まもなくになぜ、好調のコマンや状態の上がってきたミュラー、サネらを交代したのか。そして状態の悪いニャブリや経験の浅いテルや復調まもないスタニシッチを起用したのだろう?ヴァナーやブリントの交代はまだ理解できるものだったとしても、それでも3分後には4−2とされてしまったことを思えば、この交代は裏目に出たと評さなくてはならない。
改めてみてみよう。数的不利に陥った状態で、ピッチ上には17歳の選手が2人。さらに復帰や加入まもないスタニシッチやブリント、そして心身ともに万全ではないニャブリがいるなかで、成熟度の浅いバイエルンはずさんなパス回しで、いくどとなくカウンターのチャンスを逃していた。それでも試合自体は勝利にみあったものではある。だがまだまだ改善点をあらゆる分野において示していた。