2023/02/27
ブンデス大混戦を前向きにみる、バイエルンのカーン代表。

©︎IMAGO/Michael Weber
日曜日にみせたバイエルン・ミュンヘンの好パフォーマンスに、オリヴァー・カーン代表の喜びもひとしおとなった。それも無理はない。前節ではボルシア・メンヒェングラードバッハに敗戦を喫し、2位ドルトムントと3位1.FCウニオン・ベルリンに並ばれ、前日にはそのドルトムントが暫定首位。この日はウニオン・ベルリンとの直接対決に臨んでいたのである。「今シーズンにおける重要な瞬間の1つであった」と振り返った同氏は、「これまでのシーズンでは常に、ある程度の余裕をもつことができていた。だからこれは選手たちにとって新しい挑戦となる」と説明。その上で「すべての大会において争い続けなくてはならない、そのこと自体は悪くなないものだろう」と述べ、「順位表を見ればわかることだが接戦であり、これ以上の失敗は決して許されるものではない」と常に緊張感を失わないことへのポジティブな面を指摘している。
トーマス・ミュラーも「首位ではない立場で試合が始まっていた以上、僕たちは結果を出すほかなかった」とこれに同調し、ウニオン戦はあくまで「良い一歩になった」にすぎない。ナーゲルスマン監督も「あらゆる部分で我々の方が圧倒していた」と胸を張り、実際にそれは数字としても20vs3、パス成功率では89%、ボール支配率は70%と如実に表れているもので、最終的には3−0と上位決戦を制した今回のパフォーマンスを「基軸」として「得点チャンスを相手にあまり与えず、それでいて自分たちは決定的なチャンスを作り出せていたんだ」と考えているが、ただ決して褒め称えることを意識していたわけではない。ミュラーも重々承知しており「来週はまた別の話だよ。過密日程の時は本当に大変で、3日ごとに結果を出さなくてはいけないのだから」と口にする。
ひといきつくバイエルン
例えば自身について2得点に直接絡んではいるのだが、フィニッシュ面で精彩を欠いたことには「良いプレーをみせても、きっちりと決めきれないと。」と苦言。この試合最初のビッグチャンスをものにできなかったことを問題視しており、相手GKレノウの好セーブ、前半終了前にはデイヴィースが絶好期を決められないなど「得点をきっちりと決める、そのための努力をしていかないといけない」と気を引き締めた。ただそれでも角度的にみれば見た目ほど簡単なものではなく、先制点のお膳立てや2点目の得点含め、浮き沈みのあった中でその表情も明るい。「今回はたくさん話をしたり一緒に食事をしたんだ」と明かしたコマンは「これはとても大きなこと。この重要な局面ではね」とコメント。ウニオン戦では実際にそれが結果として表れており、いずれにせよここのところ続いた暗い話題から今回の好パフォーマンスは一息つけるものだ。
コマンの復調とサネの復活で激しい定位置争い
今季12試合目の先発出場も「彼の体調さえよければ、世界でも3本の指に入るウィンガーだ」とナーゲルスマン監督。その復調ぶりに目を細めており、これに加えてこの日はサディオ・マネもおよそ4ヶ月ぶりに復帰。後半65分から出場したセネガル代表は「とにかくサッカーが恋しかった」とその喜びもひとしおで、これからは共にベンチにいたニャブリ、カンセロ、グラフェンベルフ、サネらと共に、先発争いに乗り込んでいく。「激しい争いはとにかく大切なんだ」とサリハミジッチSD。明るい雰囲気、激しい定位置争いが生まれ、首位奪還を果たしたバイエルンは次節、土曜夕方よりVfBシュトゥットガルトを、そしてその後の水曜日にはCLでパリ・サンジェルマンを、共に本拠地アリアンツ・アレナにて迎え打つ。
バイエルン、会員数30万人を突破
なおこの試合の前にバイエルン・ミュンヘンは、会員数が30万人を突破したことを発表した。ヘルベルト・ハイナー会長は、世界最多である「30万人という会員数は唯一無二のブランドであり、我々バイエルンにとって大きな誇りである」とコメント。創設123周年という年にあっても「バイエルン・ファミリーが増加していくことは、我々にとって大変に喜ばしいことだ」と言葉を続けている。
Die besten Fakten aus 123 Jahren #FCBayern! 🔴⚪️
🗞️ https://t.co/uipIs3XsAg #MiaSanMia pic.twitter.com/j22ZBpOUWs
— FC Bayern München (@FCBayern) February 27, 2023