2023/03/23

ドイツ頂上決戦前に首位陥落、数字で見るバイエルン後半戦での失速

©︎IMAGO/Laci Perenyi

 実はバイエルン・ミュンヘンがブンデスリーガの首位に立てないまま、第25節を終えたのは、2011/12シーズン以来のこと。週末のバイヤー・レヴァークーゼン戦での敗戦により、ボルシア・ドルトムントとの首位攻防戦では、バイエルンはチャレンジャーという立場で臨むことになった。確かにドルトムントは年明けから猛追を見せてはいるものの、バイエルンの不振という点においてもいくつか興味深い数字がみてとれる。

 例えば敗戦数でみるとバイエルンは、ドルトムントの半分となるわずか3敗のみながら、勝利数15というのはボルシア・ドルトムントに国内二冠を奪われた2011/12シーズン以来のものであり、とりわけ過去10連覇中におけるこの時点での平均勝利数が19.5であることを踏まえると、その差は歴然であることがわかるだろう。

 今シーズンは特にトーマス・ミュラーが様々な話題を呼んできた。時には蚊帳の外に置かれ、時には絶対的主力選手として、浮き沈みの激しい時間を過ごしてきたドイツ代表だが、年明けからバイエルンが勝ち点を失った5試合でミュラーが45分以上出場したのはフランクフルト戦のみ。つまりミュラーがいなければ、よくてもドローという結果がよく起こり得るということであり、とりわけグラードバッハ戦においてウパメカノの退場を受けてのミュラーの交代は十分に議論の余地がある判断だ。

 また、プレーの流れから失点することについてはそれほど問題ではないものの、セットプレーに関しては失点の44%を占めており、これはRBライプツィヒの57%に次いでブンデスリーガで2番目に多い数字。直近の4失点のうち3失点はPKによるもので、シーズン全体でのPK失点数は既に6を記録。これはコバチ監督時代の2018/19シーズン以来の数字となり、ちなみに最多は2003/04シーズンの8本。過去2シーズンでは合計しても5本であることからも、この数字が異常に高いことがわかる。

 なお、後半戦の8試合目で勝ち点16という結果は、実はナーゲルスマン監督が就任した昨シーズンにも見られたスピードダウンで、前半戦でリードを許した試合数が4だったのに対して、まだ9試合を残しながら3を記録。ただ、いずれにしても今回のドルトムント戦で勝利をおさめれば、一旦はこういったこともチャラにでき雰囲気も回復していくだろうが、もし敗戦を喫した場合は?実は残り8試合で勝ち点差が4となった場合、勝ち点導入以来でみるとバイエルンがそこから、逆転優勝をしたケースは1度もない。

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