2023/04/06
バイエルン:トゥヘル監督が「システムの問題ではない」と見る理由と別の問題点

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ドイツ杯準決勝SCフライブルク戦での敗戦後、バイエルン・ミュンヘンのトーマス・トゥヘル新監督は、確かに大きな動揺がっ生じていることを認める発言を行った。「ひとまず一晩眠りたい」と語った指揮官は、「我々は十分にスポーツマンとしてやってきている。だからこういったことは考えたくはないし、負けのこういうことの一部などと認めたくもないし、敗北を受け入れなくてはならないたびに非常に辛い気持ちに襲われる」と言葉を続けている。
ただそれでも戦術的な理由が敗北に繋がったとは考えてはいないようで、「いまその結論に飛びついて、この試合がシステムの議論を呼ぶような事態には招きたくはない」とコメント。それを「誤った」認識として捉えている理由は、「ドルトムント戦のときよりも部分的には展開として改善されたところも見受けられていた」ことや、「ビルドアップにおけるミスの確率は中盤では低くなっていた」ことにあると指摘。「だから敗因をシステムに起因させる必要はないだろう」と言葉を結んでいる。
実際に今回バイエルンは快勝をおさめた週末のドルトムント戦の時と比較して、特にシステムについては変化しておらず強いてあげるとすれば、中盤でダブルボランチを形成していたレオン・ゴレツカが若干高い位置にスライドしていた程度。入れ替えもカナダ代表からの長距離移動を考慮してデイヴィースを休ませ、カンセロを起用した以外に変化は起こしてはおらず、事前にトゥヘル監督はまだ、そこまでローテーションを行える段階にはないと述べていた。
これから迎える大一番チャンピオンズリーグ準々決勝マンチェスター・シティ戦との2試合に向けても、過密日程からあまり時間が残されてはいないが、そこでトゥヘル監督が敢えて重視したいと考えているのが「姿勢面」での問題である。今はチームは改善段階の過程にあり、そこでは「活力、そして貪欲さというものを、チームとして発展させていくということ。そしてそれを持続させていくということだ。」と説明。現時点のバイエルンが「ちょっと問題となっている」のは、まさにこの部分であるとの見方を示している。