2023/04/21

バイエルン:トゥヘル監督念願成就、チェルシーからバリー氏を招聘

©︎Getty Images

 ここのところは暗い話題が続くバイエルン・ミュンヘンに、1つの朗報が伝えられた。トーマス・トゥヘル監督が切望していた、アンソニー・バリーACを迎え入れることでチェルシーFCと合意。そのため週末の1.FSVマインツ05戦にむけた会見は明るい雰囲気に包まれた。「ようやく迎え入れられたよ」と語った49歳の指揮官は、2021年にはCL優勝を果たした同志の共闘に「とてもハッピーだよ。我々は懸命に、辛抱強く、戦い待ち続けたんだ」と言葉を続けた。

 特に36歳のイングランド人コーチについて、「パーソナリティ、サッカーと仕事に対する愛情、情熱、すべてを兼ね備えている」と絶賛。「そしてちょっとした練習の中でクオリティとエネルギーを選手たちに伝える術を身につけているということ。セットプレーやトレーニング、プレゼンテーションにおけるクオリティもまた、チェルシーで私が経験したまったく新しいレベルのものだった。コーナーキックやフリーキックで何をすべき、私でも理解でき暗記っできるほど明確なものだったよ。細部にまで注力する情熱をもった人間だ」

 現時点ではまだクラブ側からの正式な発表はなされていないとはいえ、それでも長きにわたる駆け引きにようやく終止符がうたれたことになる。まだ契約が残されていたことから移籍金の支払い義務が発生するが、そこでの折り合いがついたことで晴れてトゥヘル監督は、アルノ・ミケルス氏、ショルト・レーヴ氏に、さらにアンソニー・バリー氏を加えたコーチ陣を形成。なおバリー氏はポルトガル代表のマルティネス代表監督のコーチ陣の一角も担っているところ。

トゥヘル監督「CL準々決勝敗退は恥ずべきことではない」

 すでにチャンピオンズリーグでも、そしてドイツ杯でもともに準々決勝で敗退してしまったバイエルン・ミュンヘンとしては、もはやブンデス11連覇がどれほどの慰めとなるかはわからない。この日の会見でもトゥヘル監督は「3年間も国内カップ戦で準決勝に進めないことは不十分だ。それは理解できること。そこで自分たちに問いかけていく必要がある、明らかに基準値を下回っているのだから」とコメント。

 「でもCLに関しては危機的に捉える必要はないだろう。8強入りは野心的であり、かつ現実的な目標である。欧州の舞台で戦う相手を見誤ってはいけない。8強での敗退を危機として捉えるのは如何と思う」と、リヴァプールやアーセナルらも不在である事実や、相手がマンチェスター・シティであることも併せて強調しつつ、「ブンデスでは優勝しかない。それを当然と思われることの不幸さはパリで経験済みで、いつの間にか当然になっていることでそこまでの祝福も見込めず、選手たちの中でもその影響を受けることは想像できる」と指摘。

 そして改めて「このタイトルを恥じる必要はないし、それは自分たちで認識していかなくてはならない。そうじゃないと無駄骨な主張が生まれてくるかもしれないのだ。今回のマインツでの試合はそういった意味では軽んじられてしまうものだよ。こうなることで戦うことの意味が薄れていってしまう。今は確かにタフな時期だ、だがそれによって恥じる必要はない。我々はマインツでの戦いに臨み、そこでたとえ辛勝で終わっても恥ずべきではない。自分たちのあるべき姿を整理して、そのために戦えるようにならないと。どの試合でも大切に」と語った。

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