2023/04/23

バイエルン止まぬ負の連鎖、またも後半失速で逆転負け。首位からも陥落

©︎IMAGO/Revierfoto

 土曜午後に行われた1.FSVマインツ05戦にて1−3と敗戦を喫した後、この日バイエルン・ミュンヘンの主将として出場していたトーマス・ミュラーは、エネルギーの不足がこの敗戦を招いた1つの要因であるとの見方を示していた。それはトーマス・トゥヘル監督の見方でも同じであり、試合後スカイのインタビューにて同氏は「またここからやり返してやろう、というエネルギーが感じられなくなっていたし、そのままずるずると言ってしまった。後半の失点からうまく立ち直らず、それがいったい何故なのかはわからない」とコメント。

 もはや途方に暮れたようにみえる指揮官の目には、「ここ数週間であまりにもいろんなことが起こってしまった」ことが、ここのところの結果、さらには今回のマインツ戦での後半で形として現れているように映っているようだ。事実この1ヶ月だけでバイエルンはナーゲルスマン監督の解任、ドイツ杯とチャンピオンズリーグともに準々決勝で敗退、そしてトゥヘル監督就任からの7試合でわずか2勝という負の連鎖が続いている。「これほどうまくいかない時に気概をもって抗うことは非常に難しいことで、それが今はまだできていないということだよ」

 別の見方をするならば今回のマインツ戦での前半では、物事は万事うまく運んでいたのだ。8割ちかいボール支配率を誇り、サディオ・マネのゴールで幸先よく先制。ただ「推進力や決定力の欠如が、この試合の大勢を決するまでには至らせなかった。なかなか勝利をおさめることが難しくなってしまっているよ、そしてその問題は明白なんだ」と説明しており、いまはひとまず3日間の休養を与える考えを示した。「誰に対してもそれはとにかく必要とされているものだよ。この3週間半にわたってチームは、1日たりとも休みなく取り組んできたからね」

カーン代表「優勝への意欲が不十分」

 ただこの時点ではまだ首位陥落までは決まっていなかった。勝ち点差2で追いかけるボルシア・ドルトムントは、この後の夕方にアイントラハト・フランクフルトとのホーム戦を戦っており、「それがどういう結果になるのか。それはみてみるしかないよ」とトゥヘル監督。前回はドルトムントはシュトゥットガルトに数的有利ながら3失点を喫して痛恨の痛みわけを演じたが、今回は4−1と快勝をおさめることに成功、勝ち点差1で再び首位奪還を果たしている。カーン代表は改めて、「この日の試合ではいったいどのチームが、リーグ優勝を果たしたいと思っているかがみてとれた。そしてそれは我々ではない」と苦言。

 特に「壊滅的」だった後半を問題視しており、「ひとりひとりが自分自身を見つめ直し、本当にそのことが目標達成のために十分なものであるかどうか。その答えを探していかなくてはならないよ。」と糾弾。事実バイエルンが後半から失速することはなにも、この試合だけにみられるものではなくシーズンを通しての課題であり続けているのだ。「ピッチに立つ以上、このクラブの目標達成のために懸命に戦わなくてはならない。それがサッカーだ。そのときに自分は何を果たすべきか、どういう意思をもっているのか、覚悟はできているのか。プレー以前に後半ではこのチームからあらゆる部分であまりに不足が見られていた」

 しかしながらまだ就任まもないトーマス・トゥヘル監督については擁護しており、「彼は批判を受ける順番として最後に位置される人物だろう。リーグ優勝に向けて選手たちを戦術的にも精神的にも、コーチ陣とともにいかに意義深いものであるかを自覚させるためあらゆる手段を講じている。今シーズンも優勝を果たしたいし、そこを譲るような気持ちなど微塵もない。まだまだ十分に可能性はあるのだし。」と言葉を続けた。

 

残り5試合の日程

 それでは今後の展望としてはどうか。ボルシア・ドルトムントの残り5試合の対戦相手はボーフム(15位)、ヴォルフスブルク(8位)、グラードバッハ(10位)、アウグスブルク(13位)、そして今回バイエルンから勝利したマインツ(6位)。特にクラブ新記録となる連勝記録を本日樹立したホーム戦が、まだ3試合残されていることは大きい。アウェイ戦の2試合は下位に低迷するクラブでもある。またバイエルンではブレーメン(12位)、シャルケ(17位)、ライプツィヒ(4位)、そしてケルン(11位)という流れになり、特に注目はドルトムントにはない上位対決、RBライプツィヒ戦だろうか。ちなみにバイエルンが逆転優勝すれば11年連続33回目、ドルトムントの場合は11年ぶり9回目の優勝となる。

  

カーン代表「優勝への意欲が不十分」

 なおこの試合では3バックの左前となるウィングバックにて、先発復帰を果たしていたアルフォンソ・デイヴィースだが、開始8分に相手選手ヴィドマーとの対人戦で大腿筋を負傷。そのまま交代を余儀なくされた。現時点ではまだ負傷に関する詳しい情報はなく、トゥヘル監督はここで最近出場機会の不満を漏らしていたマズラウイを投入、そして右で先発していたジョアン・カンセロを左サイドへと移動する対応をとっている。
 

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